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心の力について

 一見恋愛とは関係ないけれど、最近とても気になることがあるので書きます。

 いじめ自殺の問題。

 先日も新聞のコラムにいじめ自殺のことが書いてありました。
 遺書に書いてある言葉が紹介されていました。
 「お父さん お母さん こんなだめ息子でごめん(以下略)」

 自分の最愛の息子を失った両親の心の痛みはいかほどのものか、想像もつきません。しかし、このコラムはあえて苦言を書きたいと思います。

 誰がだめ息子という自己認識を作ったのか?

 親を責めるつもりで書いているのではないということをまず書いておきます。
 というよりも、誰も責めるつもりはないのです。責める姿勢では心の問題は解決できないからです。

 その上で、書きます。きっとお父さんお母さんは一生懸命強くなってほしいと願い、息子さんを育てたのでしょう、しかし、期待が強すぎるあまり、息子さんのだめな部分を受け入れてあげられなかったのかもしれません。
 親が子供に期待するのは当然です。
 ただ、人間は調子のよい日ばかりではありません。やる気が出ない日、辛い日もあるものです。そんなとき、だめな自分を出しても受け入れてもらえたら、人生を安心して生きていけるようになるのです。
 この、だめな自分を受け入れられる気持ちのことを「自己肯定感」といいます。

 残念ながら、しつけや勉強のことばかりに目がいってしまい、その土台となる「自己肯定感」を育てることができなかったようです。

 自己肯定感というのは、「今日はがんばれなかったけど、だめな自分でも、OK」と思える気持ち、「自分は愛されるに値する人間である」という自分の価値を認める気持ち、「自分は生きていてよい」という自分を肯定する気持ちのことです。
 この気持ちは他人の評価で支えることはできないものです。したがってよい成績をとっても、仕事で成果を上げても、恋人からプレゼントをもらっても、「自分で自分を認める」ことがない限り自己肯定感は持てないのです。健康な心を持って生きている人はふつう、親が小さい頃に自分を無条件に受け入れてくれた経験を持ち、その暖かい愛情に包まれた経験が自己肯定感の根っこを支えています。

 自己肯定感というのはたとえて言えばこういうことです。
 しつけや勉強はスポーツで言えば、基礎体力や技術に当たります。それに対して自己肯定感というのは体の健康に当たるものです。栄養をしっかりとっているかどうか、みたいなものです。ハードなトレーニングをして筋力を鍛え、技術も高めるためには、体が健康である必要があります。
 同じように行儀よくしたり、我慢すべきところで我慢したりといった「しつけ」を行い、社会に出てしっかり生きていくための知識を「勉強」するためには、心が健康である必要があります。
 その心の健康というのが自己肯定感なのです。


 親の最大の役割は、自己肯定感を育ててあげること。それが大人になってからも心の力になります。言い換えると、「おまえは自分らしく幸せに生きていいんだよ」という心からのメッセージを送り続けることです。

 いじめをなくすべく努力することはもちろん大事です。ただきっと、完全になくすことはできないでしょう。でも、いじめられても自殺にまで追い込まれずにすむ子育ての方法を考えることはできます。他人に責められて非常に辛い思いをするときというのは、実は自分の中に同じ声があるのです。
 「おまえはダメだ、バカだ」とクラスメートから言われたとき、「なんてこと言うんだこの野郎」と思うことができるか、「やっぱり自分はダメなんだ」と思ってしまうか。それを決めるのが「自己肯定感」があるかどうかだと思います。親に否定されて育ったら、「自分はダメだ」になってしまうんです。

 いじめる側も、自己否定の気持ちを持っています。ただ、その気持ちを禁止しているんです。虚勢を張って強がっています。だから自己否定しながら生きているいじめられっ子を見ると、自分の中の同じ気持ちが刺激されてイライラします。不安になります。そんな自己否定して弱々しく生きているやつなんて消えてしまえと思います。それは自分の中の自己否定の気持ちに対する、消えてしまえという気持ちが根っこにあります。

 この子の親もきっと、自己否定の気持ちを持っているんでしょう。だから自分のダメな部分を受け入れることができず、ダメな部分を消してしまえとばかりに厳しく生きていたのでしょう。そして息子さんのだめな部分も受け入れることができず、息子さんのだめな部分に消えてしまってほしいと感じたのだと思います。皮肉なことに、弱くてダメな部分を認めてあげなかったことが、かえって心の弱い人間を育ててしまったのです。


 人の心は、愛された経験を積むことで、強くなります。
 愛されることで、人を愛することの大切さを学びます。

 目に見える「成績」や「収入」あるいは「挨拶」「礼儀作法」のようなもので評価するのではなく、
 目に見えない、「自己肯定感」「幸せな気持ち」「暖かい気持ち」をどれだけ持って生きているかを評価の基準にすることで、いじめ自殺の問題だけでなく、虐待やDVなどの問題も相当解消するのではないかと考えています。

 大人になってからでも遅くはありません。自分の心の力を育てることをあきらめてはいけません。取り組み始めれば、少しずつ、だが着実に変わっていきます。


 まとめます。
 いじめをする方が悪いのは、いうまでもありません。
 いじめられて、自分を責めて自殺してしまうのは、自己肯定感が育っていないから。
 親の最大の役割は、ダメな部分も受け入れてあげて、子供の自己肯定感を育てること。
 親自身も、自己否定の気持ちを抱えていることがよくある。
 大人になってからでも、自己肯定感、心の力を育てることが大切。


 すべての人が、ありのままの自分を受け入れ、自分らしい人生を幸せな気持ちで送れますように。



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投稿日 2006年12月31日 19:23

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コメント

まさにその通りだと思いました。
いじめというのは、ほとんどの人が一度は被害者になりかけるものだと思います。きっかけなんて作ろうと思えばいくらでも転がっているからです。
しかし、そのときにいじめに遭う人とそうでない人がいます。そのときにいじめの標的にされやすい人、されにくい人がいます。
私はいじめの標的にはなりませんでしたが、いじめられている子を見て、どうしてその子がいじめに遭うのかがよくわからず、いつも私と彼女のどこが違うのか、また、それを変えることはできないのかと考えていました。
今回、それがわかった気がしました。

「自己否定しながら生きているいじめられっ子を見ると、自分の中の同じ気持ちが刺激されてイライラします。不安になります。そんな自己否定して弱々しく生きているやつなんて消えてしまえと思います。」

いじめっ子にはこんな心理があったんですね!
私はいじめっ子の気持ちもわからず、どうしていじめたくなってしまうのかとかなり考えていました。彼らに共通していることは、親とうまくいっていないということだけでした。私は寂しいからその鬱憤を晴らしているのだと思っていましたが、他にも寂しさを抱えていても、決していじめには走らない子はたくさんいるので、何か違うとは思っていました。
このコラムのおかげで、もやもやしていたものがかなり晴れました。本当にどうもありがとうございました。

投稿者 Ted Frog : 2007年03月30日 22:58

◆Ted Frogさん

コメントありがとうございました。
お役に立てて嬉しいです。

投稿者 あづま(管理人) : 2007年04月03日 10:13

つい泣きながら読んでしまいました。(心当たりがたくさんありすぎて)

私も親からたくさん否定されつつも、ここまで成長してきました(22歳)。
母親自身も自己否定をたくさんしているような気が前からしていました。
そしてあづまさんのこのメルマガを読み、次第に確信が強まってきました。
自分が幸せになってはいけない、苦労しなくてはいけない、と私の母親は考えているように思います。(これは祖父母から母へ伝わってきている気がします)
母が幼い頃からそういう環境で育ってきたため、私にも「本当にそんなことできんの?(将来について)」
「あんたじゃ出来ないんじゃないの?」
と言うのですが、それは母の育ってきた環境のせいだと思えたとしても受け入れることはできません。
それは私自身を否定することになるので。

正直言ってつらいです。
今から新しいことを不安だけれども、勇気を出して一歩を踏み出そうとしているときに、その不安な心を見ずに、あれこれ否定的なことを言われると、こっちまで不安が移りそうなんです。
ただ「あんたなら出来る、頑張っておいで」、と信じてくれて、背中を押してほしいだけなんです。
今頑張ってダメな部分もあるありのままの自分を受け入れようとしているのに、身近な人からそういうことを言われると、ある意味足を引っ張られる気がするんです。
かといって無視できるほど強くもないですし・・
母親の一言一言がただ私の不安を大きくしていくばかりで、そのチャレンジに対して出来る限りのことをしてぶつかっていく勢いを失わされていく感じです。
早くこの家を出て行きたいです。
母と会う回数が減れば、自分1人で自己肯定を高めていくことができると思うんです。


いろいろとこの「心の力について」によって心が揺さぶられました。
改めて母との関係を考えるきっかけになりました。
ありがとうございます。

投稿者 えり : 2007年04月04日 21:05

えりさん、今までそんな境遇の中よく頑張ってきましたね。

私の仕事の中で一番難しく、かつ一番大事だと考えている部分が、この「心の力を育てる」ことなのです。
幸運にも、自己否定の少ない両親に育てられ、自己肯定の気持ちを十分持つことができた人はその後の人生もそれほど苦労せずに生きていくことができます。
一方、自己否定の強い両親に育てられた場合、否定的な気持ちが強くなり、生き辛さを抱えることがあります。

えりさんの大事な使命は、コメントにも書かれているような、自己否定の世代間連鎖を断ち切ることです。

今はもしかすると、「自己否定の世代間連鎖を断ち切っても、それでようやく普通レベルじゃないか。足かせのある人生が恨めしい。」そんな感覚を抱いているかもしれません。今の時点では、それは仕方ないことでしょう。

ですが、人が死ぬ間際に回想することは、「与えられた状況の中で、自分はどれだけのことをしたか」ということだそうです。始めから足かせがなかった人は、もっと高く飛ぶことが使命になるのです。それはそれで大変です。

だから、えりさんは、ぜひ大事な使命として「自己否定の世代間連鎖を断ち切る」と決意してほしいと思います。


そのためには、自己否定的ではない人との交流を大事にすることです。
仕事人間じゃなくて、人生を楽しんでいる人。
歯を食いしばっている人じゃなくて、朗らかな人。
他人を否定する人じゃなくて、ほめる人。
そういう人とのつきあいを大事にしてください。

始めは(自分がネガティブだと同じような人を引き寄せるので)あまりいい人と出会わないかもしれません。
でもあきらめないで。

最初はもしかすると、カウンセラーやセラピストを頼る必要があるかもしれません。気持ちが明るくなるまでは。そして一旦自己肯定をしている人の輪に入れると、自分もポジティブになっていけます。するとますますいい人と出会うようになります。

そして、
>母と会う回数が減れば、自分1人で自己肯定を高めていくことができると思うんです。
これも私は基本的に賛成です。
但し、孤立はあまりよくないです。

心の支えになる人を(恋愛以外で)確保してから、お母さんとの距離を置くことをすすめます。

コメントに返答するぐらいしかできませんが、心の中では応援していますよ。
あきらめないで。

投稿者 あづま(管理人) : 2007年04月07日 00:19

私はいじめられっこでもいじめっ子でもなかったのですが、このコラムにすごく共感しました。
今年に入って鬱になりました。 子供の頃から少しその気はあったのですが、こんなにひどくなったのは初めてだったので、すごく辛い日々でした。親元を離れて6年になりますが、いつも認めてもらいたかったのは親、とくに母親だったんだと自分の中で気がつきました。
私の欝は1つのことが原因ではなく、いろいろな要素がたくさん集まってなってしまったものだったので、カウンセラーさんにも最初は母とのことはあまり重要視してもらえませんでした。自分を一番認めてないのは自分だということもわかっていました。でも、やっぱりいつも他の誰でもなくて親に認めてもらいたかったんです。子供の頃から先生にも好かれるタイプの生徒で、優等生タイプでしたが、母には「外面ばっかりよくて・・・」と文句ばかり言われ続けていました。どんなにいい成績をとってもそれは当たり前で、特に怒られたこともなかったとは思いますが、褒められたことも記憶にはありません。得意分野で他の誰にいい評価を受けても、母から評価を受けたことはないんです。母は子供の頃からそつなく私よりも物事が出来たようなので、彼女にとってはすべてが当たり前だったのかもしれません。一度、こちらに来た時に私のカウンセラーにもあって話をし、その時初めて「私が母に認められたがっている事を知ってびっくりした」ことを後で伯母から聞きました。そして、「ずっと父親に認めてもらいたがっているのだとばかり思っていた」ことも先日カウンセラーの先生から聞きました。父はいつでも私の事を認めていてくれると思っています。心配はしているのも知っていますが、頑張った分は感情に出すのは苦手な父が、「よく頑張りました」と言ってくれるのは精一杯の父なりの評価なのだと感じるからです。他の周りの人間がどんなに認めてくれても、自分の仕事関係で賞を頂いても、名誉学生として卒業しても、うれしい気持ちはあってもやっぱりどこか自分を認めきれないというか、全力で頑張りきれていない気がしてしまうんです。自分はそんなにすごくないのに正当な評価を与えられていない、と思ってしまうんです。
母を変えることはできないし、母を責めるつもりもありません。そして、何よりも母のことは好きなんです。でも、だから認めてもらいたかった。いつもそれが目標になっていました。今でも認めてもらいたい気持ちはすごくあります。でも、それを母に全部わかってもらうのは無理なのだと思うようにもなりました。
鬱がひどかった時は本当に消えたくなったりいろいろしました。自分なんていなくなっちゃえばいいって本気で思いました。でも、いろんな人に迷惑をかける事を考えたら死ねなかったし、何よりも昔父が「mikikoが先にいなくなったらそれが一番の不幸だ」と言っていたのを思い出したら死ねなかった。完全に自己肯定も出来ていないけれど、ちゃんと認めてくれる人がいることによって完全なる自己否定もしていないんだと思います。鬱はだいぶよくなってきたとはいえ、まだまだ自分の心とちゃんと向き合わなくてはいけないと思っています。そして、何よりも将来自分に子供が出来たとしたら、全力で受け止めてやりたいって思います。同じ思いをさせちゃいけないって思いました。そうさせないために、今自分がこうやって学んでいるんだと思っています。

投稿者 Mikiko : 2007年06月06日 13:33

Mikikoさん

コメントありがとうございます。
うまくうつが乗り切れますように。

お父様の存在が、ありがたいですね。

そして、辛い経験も、「学び」と言えるのは立派なことですね。きっとMikikoさんのお子さんは幸せだろうな、と思いました。

投稿者 あづま(管理人) : 2007年06月10日 17:16

私はいじられキャラでそれを誰にも相談することができなくて,いつも悩んでいます。家族にも悪口をいわれるほどでほんとに今人が信じられなくて困ってます。友達には彼女の事をばかにされたり体のことをばかにされます。彼女は地元でかわいいっていわれてた彼女だし自分では自慢の彼女です。でも自分のせいで裏でばかにされるのがほんとくやしいです。体のことも自分より太ってる人がいっぱいいるのに自分ばかりいわれます。友達はなにをいっても言うのをやめてくれません。そんなことばかりでたしかに私は自己否定ばかりしてきました。ほんとにこんな自分をかえたいです。ですが今から自己否定をしなくなってもこんな状況はかわるのですか?正直ばかにしてくる友達は好きじゃありません。でも自分が成長するにはそういう人達とかかわっていったほうがいいんですか?今はほんとうに仲のいい友達だけを大切にしたほうがいいんですか?意見をきかせてください。

投稿者 かめ : 2008年03月27日 03:48

かめさん

コメントありがとうございます。
いじられキャラで、色々大変でしたね。

育った環境とか、今の状況になった経緯は色々あって、その中でかめさんが精一杯頑張っていることは、私は信じます。

その上で、あえて言います。

成長するということは、変化するということです。
もし、バカにされて嫌なのに、状況が変わっていないとしたら、それは成長ではありませんよね?

ちょっと厳しい言い方かもしれませんが、相手を悪者にして、自分が悲劇の主人公みたいになってしまうのは、決して相手にとってもいいことではありません。

ひどいことを言う相手には、「きっぱり」言い返せることが大事です。憎んで言うのではなく、「そんなことをしていたら、あなたも成長できないよ。人を大切にするコミュニケーションを身につけようよ。」そんな気持ちを持って、きっぱり言い返せばいいじゃない。

それが、相手に対する本当の愛情です。
機嫌取りは、愛情じゃないんですよ。

かめさんが、自分の問題を自分で解決できることを、信じて祈っています。

では!

投稿者 あづま(管理人) : 2008年04月15日 21:17


コメントをお待ちしています

 温かいコメントありがとうございます。ウェブサイトをお持ちの方はURLの記入ををどうぞ。メールは公開されません。
 ★「私はどうしたらいいのでしょうか?」と書きたくなった方へ:きっと今苦しいのでしょうね。
  ここに書いて楽になるなら、ご活用下さい。自分の力で立てることをお祈りしております。




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