感情シグナルに、意識を向けよう

 

まず、私自身の話を書きます。
 
かつて、私は恋愛下手だったし、人間関係が苦手でした。
その理由を極めてクリアに説明するキーワードを最近発見しました。
 
それが「感情シグナル」。
 
ジョン・ゴットマン博士という、アメリカの結婚生活の研究家の方が提唱している考え方です。
 
うまく行っている夫婦では、妻の感情シグナルを、夫は8割方無視せずに受け取るのに対して、離婚を考えている夫婦では、妻の感情シグナルの8割以上を、夫が無視するというデータがあります。
 
 
私自身は、かつて離婚を経験していますが、
「仕事もして、専業主婦の妻の家事も手伝って、いったい何の不満があるのだ」と思っていましたが、「感情シグナル」という観点で考えてみると、そのやりとりは、うまく行っていなかったですね。
 
会話が少ない。
会話があっても、お互いに気持ちを共有できない。
会話がすぐ終わってしまう。
他人が主語の会話が多く、「べき論」が多かったり、本音をストレートに表現していないので、言っている方もスッキリしないし、聞いている方もイライラする。
 
「今日は、どうしてたの?」
「そんなこと聞かないでよ。」
 
こんな会話では、何かトラブルがあったときに、夫婦は協力関係ではなく、すぐ仲間割れしてしまいますよね。実際、そうでした。
 
女性と比べて、男性の方が、お互いに感情のやりとりが成立しているかどうかということに無頓着な人が多いように思います。私もかつてそうでしたが。
 
元々、危険なところに出かけていって狩りをして獲物を捕って帰ってくる中で進化したのが男性脳なので、男性は感情にフタをして行動するのが得意なのですが、逆に、安全で、コミュニケーションが重要な現代では、男性は意識して努力して、感情シグナルのやりとりをする必要があるのです。
 
あなた(男性)がもし、彼女や奥さんとの関係がイマイチうまく行っていないと感じていて、ひょっとして、職場でも、なぜか大事な話が回ってくるのが他の人より遅いというような現象が起きているのなら、感情シグナルのやりとりを重視して他人と関わることで、問題が改善する可能性があります。
 
 
このコラムは、男性向けに書いていますが、女性には違ったアドバイスが必要ですのでひと言だけ。
女性の場合、感情シグナルを受け取る方は得意な人が多いようですが、相手が受け取りやすい、ポジティブな感情表現をしたり、逆上(キーッとなる)ではなく、冷静にかつ真剣に自分の想いを伝えたりといった、【感情シグナルを上手に出すことが苦手】な人がいるようです。
 
コミュニケーションがうまく行かないとき、
感情シグナルを出す側が努力する
感情シグナルを受け取る側が努力する
どちらも大事です。
そして、どちらも「こいつのために自分が努力したくない」という気持ちがもう変わらないのであれば、そのときには関係を終了した方が、よいと思います。