「成長するな」という禁止令に気づこう

 

目の前で起きている人間関係や人生に関わる問題は、多くの場合潜在意識の中にその問題の根っこがあります。
 
ジェームス・アレン著 「原因」と「結果」の法則によれば、私たちが手にしている人生という果実は、心を耕し、どれだけ栄養を与えたかによって決まるものです。
 
子供時代に受けた虐待や、親の不仲という問題は本人も嫌な気持ちが明確にするので覚えていることが多いですし、それが現在の恋愛や人間関係に影響しているというのは、想像しやすいのですが、
 
最も気づきにくい「生育歴の影響」のひとつが、親や周りから受けた「成長するな」という指令です。
 
たとえば、親が何でも先回りして、世話をしてしまう。
危険なことはやらせない。
失敗させないように、親が苦心して段取りをする。
 
一見優しくて、愛情もあり、虐待とは無縁ですが、
残念ながら子供に対して「あなたは成長しなくていい」という無意識のメッセージを送っていることになります。
 
確かに、こうした家庭で育った子どもは、嫌なことを経験せずに育つことが出来ます。
しかし、世の中に出たら、もはや、親に守ってもらうことが出来ません。そうなっても、自分で自分を守り、きちんと家族を運営して生きていくことができるのか。そこまで考えたときに、このような過保護な親の教育方針には疑問を抱かざるを得ません。
 
交流分析の用語で言うと、これは、「成長するな」という「禁止令」にあたります。
過保護にして、子供を成長させず、いつまでも親の庇護の元に置こうとすることは、子供の人生に大きなマイナスをもたらすものなのです。
 
昔の人は「かわいい子には旅をさせよ」と言いました。かわいい子だからこそ、自分一人で生きていけるように、旅(昔の旅なので、困難がつきものでした。つまり、頑張る経験)をさせよと言ったのです。
 
 
チャレンジ、
頑張る経験、
多少失敗しても、自力ではい上がる経験、
親は見守るだけで、あとは自分の責任で行動する経験、
この世の中で、自分一人でなんとかやっていく経験。
 
こういった経験を十分にさせてもらえなかったとしたら、それはどこかで「成長するな」という禁止令を受け取っていたのかもしれません。
 
今さら親を恨んでも仕方ないですから、自分でひとつひとつ、自分を成長させるためのチャレンジを積み重ねて頑張っていくしかないのです。
 
 
何の問題もない家庭で育ったのに、今の人生がうまく行っていない。恋愛や結婚がうまく行っていないと感じるあなたへ。あなたの中に「成長するな」という禁止令が入り込んでいないかどうか、一度よく考えてみてください。


 

「「成長するな」という禁止令に気づこう」への5件のフィードバック

  1. 阿妻さん、こんにちは^^
     
     
    思えば、
    自分の親も先回りが多かったです><
     
    プラスチャレンジしたのをバカにしたり
    というメッセージも込みでした^^;
    「するな」も「正気であるな」も「重要であるな」
    もありそうです。
     
     
    こうして禁止令で「成長するな」を知るまでは、
    ちょっと有害であるにも関わらずそれに気がつかな
    かったり、それが正しいと思っていたりで、
    なんか変な気がするけどなんだろうともどかしかった
    です><
     
     
    自分がしたいと思ったことが出来なくて
    イライラする。でも親はあなたのためと
    言っているから怒れないし、怒った方が
    野暮なのではって思ってもいました。
     
     
    すごく禁止令は手強いと感じています。
    巧妙だったり、態度で示してきたり・・・
     
     
     
    家の外を出たら、周りの人が過保護を察してか、
    過保護にされてそうを理由に嫌がらせに遭う
    こともしばしばでした。
     
     
    過保護とその二次被害と、
    バランスの良いところになかなか巡り会えない
    こともありました。
     
     
    なんだかんだありましたが、
    禁止令を受けていたことをわかったからには、
     
    自分でチャンレンジして、しっかりとその経験を
    自分の成長に役立てるよう身になるよう関わって
    いきたいです。
     
     
    自分で心の栄養をもらえることを選んで、
    吸収の仕方も知り、自分の成長に
    していきたいです^^b
     
     
    では失礼しました。

  2. この記事を読んで、「私ってこれだ」ってすごく思いました。
    私の両親はまさにこれ。すごく過保護です。
    そのおかげで、私は今すごく生きるのが苦しいです。苦しくて苦しくて、消えてしまいたくなります。新しい家庭を築くべく、夫と子供と向き合いたいのですが、怖くて仕方ないのです。でも、消えてしまっても、何の解決にはなりません。そして、いまさら年老いた不幸な親を責めても何ももたらしません。一歩一歩積み重ねるしかないのだろうと思う日々です。

  3. 俊太さん
     
    コメントありがとうございます。
    お、今日付を見てびっくりしましたが、亀レスですいません。
     
    本当に、「成長するな」という禁止令は気づきにくいんですよね。
    逆に言えば、気づいて自分で取り組み始めれば、変われると言うことでもありますね。
     
    ここで止まっている多くの方に、気づいていただきたいと思っています。
     
     
    あ、さん
     
    コメントありがとうございます。
    気づいたのですね。一歩一歩積み重ねていって下さいね。
    応援しています。

  4. はじめまして。
     
    ここ数年いろいろなことが続き心理学のサイトを検索し、ここにたどりつきました。
     
    うちはこの反対でした。母が私が8歳のときに入院し、4年間入退院を繰り返し亡くなりました。
     
    祖父母と同居していたのですが、祖母は寝たきり、父の妹も入院、父はクレイマークレイマーどころではなく、私たちはほったらかされて育ちました。
     
    私が子供の頃は梶原一騎さんのマンガが大流行で、私は自分を痛めつけさえすれば幸せになれるのだと信じていました。
     
    5年前に父が亡くなってから、弟の精神疾患がひどくなり、心理学や心療内科の本を読むようになりました。そして、自分の生き方が間違っていたことに愕然として、自分を大切にしていこうという取り組みを始めました。
     
    また、弟の心の痛みにも気づいてあげられるようになりました。
     
    数日前、あづまさんのサイトに出合ってからブログを読んでは泣いています。苦しさもありますが、心が洗われるような気持ちにもなれます。
     
    昔の写真を見ては、私たちは愛されていたのだと思いました。
     
    とりとめのないことを書いてしまいました。また、勉強させていただきます。

  5. みるくさん
     
    コメントありがとうございます。
     
    色々大変な中、頑張って生きていらっしゃったのですね。
    きっと、抜け出すまでは、必死で頑張るという生き方も、必要だったのではないかと推察いたします。でもそろそろ、きっと、変えたりゆるめたりする時期なのですよね。
     
    うまく切り替えていけることを、心から応援しています。
     
     
    何か、気づいたり、心が楽になったり、成長したり。
    そのようなヒントを受け取ってくださったら、コラムを執筆している者として、とても嬉しく思います。
     
    これからも、色々書いていきますので、参考になる記事がありましたら、役立てて頂けたらと思います。
     
    ありがとうございました。

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