若い人の脱原発運動はいいかもしれない、と思う理由。

 

原発事故以降、脱原発運動が目立つようになっています。
 
私はこれまで、結局エネルギー源の確保は重要なので、脱原発だけ騒いでもだめだろう、と考えてきましたし、代替案としての自然エネルギーも、よく実態を知らない人が幻想を持っているだけで、結局フタを開けてみたら自然エネルギーの不安定さと価格の高さに憤慨するという結論になるんじゃないかと思ってきました。
 
まあ、現実を見ていない人が、代案なきぶち壊しをしているだけなんじゃないかと思って、そういう主張とは距離を取ってきました。
 
しかし、最近ちょっと考え方が変わりつつあります。
 
 
原発を停止して、一番痛いのは、おそらくは製造業など、大量の電力が必須な産業だと思われます。
 
高度成長期に若者だった人たちは、製造業の中核に入り込むことができて、給料も住宅も得て、年金生活に入ることができましたが、いまの若者にはそのチャンスは非常に少ないです。
 
製造業自体が現在の雇用を守ることすら苦しくて、若者を積極的に採用できないからです。
 
 
すると、世代間格差ができます。
さらに、年金など、福祉に関する負担の世代間格差は非常に大きく、既に年金生活に入った人と、いまの20代などでは負担額がひとりあたり一億円ぐらい違うという試算もあるようです。
 
生まれた年が違うだけでここまでの不公平というのは、これはもう、正義に反しています。
 
 
ところで、原発を止めたら、電気は一応足りるでしょうが、きっと電気の安定供給に課題や懸念が生じて、産油国や天然ガス産出国に足下を見られて、高い燃料を買わされることになるでしょう。いまでもちょっと高いですが。
 
それに加えて、自然エネルギーが普及するほど、電気代は高くなります。
電力会社の原価で、火力や原子力が8?12円/KWHなのに対して、自然エネルギーは買い取りの原価で40円を超えているものもあります。ふつう、野菜だったら4倍高ければ買わないですが、電気は法律で買わなければいけないことになってしまいましたし、これを電気を使う人みんなで負担する法律になりました。
 
こうなっていくと、製造業はますます海外に出て行ったりして、日本の雇用を守れなくなっていくと思うんですね。
 
 
で、ここからが本論ですが。
 
むしろ、そういう状況を加速してみたら?
というハナシ。
 
どうせ、製造業が栄えたって、若い人に対しての恩恵は大してないわけだから、
思い切って、代案なきぶち壊しをしてみたらどうか、というわけです。
 
ちょっと、革命思想っぽいですが。
でも、この機に乗じて、やってみるのも悪くないんじゃないか。
 
最近そう感じています。
 
 
そうやって、いま企業の中にいる人も、本当に困ったと感じてきたら、
何か動かそうという気になるでしょう。
 
 
ま、世代間格差というのは、いま、そのぐらい深刻になってきている、という問題意識を日記記事にしてみました。