反省には「肯定的反省」「否定的反省」「反省したフリ」がある

 

たとえば、浮気した夫が「反省」している。
たとえば、さんざん感情をぶつけてきた妻が、夫から別れを切り出されて、今までの自分の行動を「反省」した。
 
などなど、私たちは、「反省」という言葉をよく使いますが、
 
私は、反省という言葉、人によってあまりに違う意味なので、自分からはほとんど使いません。誤解を生みますし、悪い「反省」をしてしまうと、かえって物事をこじれさせるからです。
 
そこで、この記事では、
「反省」という言葉について、
世の中でよく使われている意味が実は三つあることを紹介し、
 
いい反省のしかたとは、どういうものなのか、
それについて考えていきたいと思います。
 
 

怒られないように「反省」は、「反省したフリ」

自分の行動を反省し、直したいと言っている。
たとえば、浮気した夫がそう言っている。
 
怒られたくないから、
トラブルを起こしたくないから、
面倒なことはイヤだから、
 
この行動は、やめておこう。
(本当はやりたいけど・・・がまんするしかない)
 
こういう動機の「反省」は、
本物の反省ではないと思います。
 
「反省したフリ」と名付けておきましょう。
 
「フリ」と言っても、
反省した「演技」ってわけじゃないです。
 
 
本当に、
「あ〜〜損した。イヤな思いした。
 こんなに損するなら、次からはもうしない。」
とは、思っています。
 
あくまで、自分基準。
自分が嫌な思いをしたし、損をしたから、
次は、もっと得する方へ行こう。
そういう感覚です。
 
 
浮気が起きたときに、
妻が夫に求める「反省」と、
このタイプの「反省」は、
微妙に違うわけです。
 
 

自分のダメなところ探しの「反省」は人生が停滞する

 
2番目の「反省」は、
主に、自己否定的な人がはまりやすい「反省」です。
 
たとえば、失恋してしまった。
毎日、鬱々としてすごしている。
仕事をしているときは、なんとか自分を保っているけれど、
 
ひとり、部屋に帰ってくると、
自分のあそこが悪かった、ここが悪かった、
こんな私だから、捨てられるんだ。
 
こんなことじゃ、いつまでたっても、
幸せな結婚なんてできない。
 
・・・みたいに、
次々と自分の悪いところ・ダメなところ探しをして、
自分を攻撃して、さらに落ち込む、
というパターンをやっている人。
 
 
これはまさに、否定的反省、ですし、
実は、反省をしている、というよりも、
 
もともと、自己否定的なセルフイメージを持っていて、
それを確認して、
 
「ほらやっぱり、私ってこんなにダメな人間じゃないの!」
 
ってことをやっているに過ぎないんですね。
 
失恋をきっかけに、学んでいるとかじゃないんですね。
 
 
自己否定的なセルフイメージを変えないために、
「反省」の名を借りて、自分を責めることを繰り返しているんです。
 
これは人間的成長が停滞する行動です。
建設的な行動ではないんですね。
 
 
 

本当の反省、即ち「肯定的反省」とは、自分を信じること

 
さて、では、本当の反省とはどういうものかというと、
何か痛い出来事が起きたときに、
 
その出来事をきっかけに、
現実をまっすぐに見つめ、
自分の行動についてもしっかり見つめ、
自分の潜在意識もしっかり見つめ、
 
本質的な課題をちゃんと見つけて、
それを解決できる人間になるよう、前向きに努力する。
 
そういうことです。
 
 
そして、それができるためには、
 
「自分を信じている」
 
ことが大事です。
 
 
自分を信じている、というのは、
 
自分は、素敵な人間だ。
(カッコイイ、できる、道徳的な、なども可)
だから、信頼で結ばれたパートナーシップが似合う。
当然、浮気など似合わない。
 
そういうセルフイメージを持っている、
ということです。
 
まあ、こういうセルフイメージを持っている人は、
そもそも、夫婦関係に陰りが出てきたら、
浮気に至る10歩手前で、
解決のための行動を起こすものだと思いますけどね。
 
 

三種類の反省、まとめ

 
まとめますと、
ひとくちに「反省」と言っても、
 
自分主体ではなくて、「怒られるのが怖い」から、
相手に合わせて(しぶしぶ)自分を曲げよう、という「反省」もあり、
(これは本記事では「反省したフリ」と名付けました)
 
自分のセルフイメージが低く、否定的であるため、
直面したトラブルが、ダメな自分を確認する「口実」
となってしまい、自分のダメなところ探しを繰り返してしまう、
そのような「否定的反省」もあり、
 
また、
自分は素敵な人間だから、今回の失敗は似合わない。
次からは、自分に似合う行動をしよう。
そのような、高いセルフイメージに基づく、本当の「反省」、
この記事では「肯定的反省」と名付けましたが、
そのような建設的な反省もあります。
 
 
単に「反省した」「反省していない」と考えるのではなく、
本当の意味で意味のある反省をするよう、
自分では気をつけたいものですし、
 
相手の「反省」がどれなのか、
見極める目も、持っていたいものです。