【ココヘル633】まどマギに学ぶ、心の成長の順番。

 

★女と男の「心のヘルス」ー癒しの心理学 633号 2013.11.26
 
 こんにちは、あづまです。
 いつも読んで下さってありがとうございます。
 
 
 前回の配信からちょっと間が空きましたが、
 別に調子が悪かったわけではなくて、
 
 入ってくるセラピーの予約は普通にこなしてましたし、
 セラピスト達の勉強会も、焼き菓子持参で主催しましたし、
 まあ、元気にやっているんですが、
 
 
 私のクセとして、
 まあ、自分自身との付き合いは40年以上なわけですが、
 最近つくづく思うことは、
 
 休みを入れる、だけではダメなんだと。
 
 
 ついデスクワークをしたりとか、
 色々してしまって、本当の意味で休めなかったりする。
 
 
 そこで、休みを入れるのではなく、
 予め、遊びの予定を入れることにしました。
 
 
 どんな人にも有効な処方箋ではありませんが、
 ついつい、真面目な活動ばかりやってしまう人は、
 
 
 予定表に、早い段階で、遊びの予定を入れてしまう。
 というやり方は、有効だと思います。
 
 
 あとは、無理やり遊びに連れ出されるとか
 (そういう友達を確保して、お願いしておく)
 
 
 あ、要するに色々遊んでました、って話です。
 
 
 
 
 ところで、
 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語
 見てきました。
 
 面白かったんですが、
 前作を繰り返し見て理解していないと訳分からないかなぁ。
 なんて思いました。
 
 で、今回のストーリーは、いいんですが。
 
 
 前作のTVアニメ版のせりふを引き合いに出して、
 今日の話を書いていきたいと思います。
 
 
 まどかの親友のさやかが魔法少女になり、
 彼女なりの「正義」を貫こうとして苦しんでいる、
 そんな状況の中、まどかがキャリア系女性である母親に、
 
 相談をするシーンがあるんですね。
 (劇場版ではカットされているようです)
 
 魔法少女の話は親にも内緒なので、
 抽象的、概念的な相談になっているんですが、
 
 
 まどか:
  友達がね、大変なの。
  やってることも言ってることも、
  多分間違ってなくて。
 
  なのに、正しいことを頑張ろうとすればするほど、
  どんどんひどいことになっていくの。
 
 母:
  良くあることさ。
  悔しいけどね、正しいことだけ積み上げていけば、
  ハッピーエンドが手に入るってわけじゃない。
 
  むしろ、みんなが自分の正しさを信じて
  意固地になっていくほど、
  幸せって遠ざかっていくもんだよ。
 
 
 そう、正しいことをみんなが主張するだけでは、
 解決しない、そういう現実が、
 
 悔しいけど(ここが大事)、やっぱりある。
 
 
 これって、
 この間から書いている、
 
 成熟した自我の世界、
 感情のコントロールレベルでいうと、
 3までたどり着いた人の境地。
 
 
 
 魔法少女まどか☆マギカが良くできていると思うのは、
 単にこういう側面を切り取っただけにしていないところ。
 
 他の物語だとよくあるじゃない。
 理想論って通用しないよね。
 正しいことなんて、結局絵空事だよね、
 みたいな前提が、まかり通ってしまう話。
 
 
 でも、まどかの母親は、続けてこう言うわけ。
 
 
 母:
  あなたは、いい子に育った。
  嘘もつかないし、悪いこともしない。
 
  いつだって正しくあろうとして頑張ってる。
  子供としてはもう合格だ。
 
 
 この順番が大事なんですね。
 
 
 この、浮気シリーズの中でも書いてきましたが、
 レベル2を完全に卒業することが大事だよ、と。
 
 この世界には正しい基準がある。
 まず基本としてその基準を信じて、
 正しくあろうとして頑張る。
 
 この物語の設定では、
 ちょっと優し目で、母性的とも言えるお父さんと、
 きりっとしていて、父性的、なのかな、美人なんだけど、
 社会で闘えそうな感じの、芯の通ったお母さんと、
 
 伝統的な男女のイメージとはちょっと逆になってますが、
 心理学的に父親役、母親役、両方の愛情を十分に受け取り、
 
 平和な家庭でまっすぐに育ったまどかが描かれています。
 
 そう、子供として、正しいことを正しいと信じられる。
 自分は揺らがない。
 軸を持っている。
 
 
 このココヘルの感情シリーズの言葉でいえば、
 レベル2を十分に卒業している、
 
 
 
 そこまで健やかに成長したまどかだからこそ、
 母親は、その次のステージを提案しているんですね。
 
 
 
 母:
  だからさ、大人になる前に、
  今度は間違え方もちゃんと勉強しときな。
 
  正しすぎるその子の分だけ、
  誰かが間違ってあげればいい。
 
 
 
 で、そのあと、
 ずるいウソをついたり、とか、
 間違い方の例が出てくるわけですが。
 
 
 その手段はもう、
 正攻法で手が出ないときの裏技みたいなもので、
 一生誤解されるかもしれない方法だし、
 
 物語でもあまり正面から扱っていなくて、
 むしろ暁美ほむらの心情を示唆しているみたいな感じで、
 (分からない人はごめんなさい)
 まどかと直接関係ない気がしますので、
 ここでは紹介しませんが。
 
 
 
 でね、
 
 今日はなぜこの話を引き合いに出しているかというと、
 
 
 浮気問題の相談を受けていると、
 「子供に相談してもいいでしょうか」
 と聞かれることがあるんですね。
 
 大抵、やめておいたほうがいい、と答えますが。
 
 
 中には、私の方から、
 お子さんに話をしてみては?
 という提案をする場合もあります。
 
 
 自分でも、なぜ判断に違いがあるのか、
 明確に言葉に出来ていなかったんですが、
 
 
 やっと言葉になりましたので、
 今日は私が思う基準について、
 書いてみようと思います。
 
 
 
 その子が、これまで、十分に守られて、
 安心できる居場所(無条件の承認)を得てきて、
 信頼できる正義(条件付きの承認)も得てきて、
 
 上の話のまどかのように、
 正しいことがこの世界にあると、
 十分に信じられるところまで成長しているなら、
 
 子供に浮気問題を話すことも、
 むしろ一緒に考えてくれる仲間になってくれるだろうし、
 
 子供にとっても、
 正しいことが世界の基本だけれど、
 そうでないことも、例外として、ある。
 
 正しいことだけでは通用しない状況も、ある。
 
 
 そう、成熟した、大人の世界への成長ができる。
 
 
 だから、伝えてもいいのでは。
 そう思うんですが。
 
 
 
 しかし、一方、
 その子が、これまで、十分に守られなくて、
 家庭が安心できる居場所として機能していなかったり、
 信頼できる正義を、経験できていなかったり。
 
 
 これは、親が、正しいことが通用する世界を、
 家庭内だけでも、ちゃんと作ってあげていたかどうか。
 そういうことが関係しているわけですが、
 
 こんな風に、
 正しいことが世界の基本だと、信じることができない。
 むしろ、正義は裏切られるというのが、世界の基本。
 
 
 家庭環境が悪かったり、
 親がウソをついていたり、
 常に周りの人が争っていたり、
 
 人間のイヤな面を見ることの方が多ければ、
 
 (あと、親が同様にして正義を信じていない場合も)
 
 正義が通用しないのが世界の基本だ。
 そういう風に思ってしまうでしょう。
 
 
 で、その状況下で育った子供に、
 親の浮気問題を伝えることは、
 
 
 
 そう、
 
 子供が、
 
 この世界には【やっぱり】正義はない。
 このような、悪いワールドイメージを
 強化することにつながります。
 
 
 
 まあ確かに、親の立場からすれば、
 
 実際に、自分のパートナーが浮気をしている、
 あれこれ、人間の汚い部分を見せてきている、
 
 そういう状況下で、
 自分が防波堤になって、
 
 子供にだけは、
 正しい世界を信じさせてあげよう、
 
 そうやって踏ん張ることは、
 孤独な闘いですし、本当にしんどいことだと思います。
 
 (本来そんな時こそセラピーに毒を吐きに来て下さい)
 
 ここから先は、
 誰をまず救うのか、という話になってしまい、
 絶対の正解はないと思うんですが、
 
 
 子供のことを考えるのなら、
 子供が十分に正義を信じられるようになるまでは、
 浮気のことは言うべきではない、
 
 と、私は考えます。
 
 
 
 
 前回、こう書きました。
 
 
 
> 感情のコントロールレベル3。
 
> このレベルでは、
> 【ルールは、十分に分かっている】
 
> でも、
> 【ルールに反する感情が湧くのも
>  また人間だと分かっている】
 
> ということが前提になります。
 
 
> 再度念を押しておきますが、
 
> レベル2を十分に卒業していない人が
> 3に生半可な気持ちで進むと、
> 自己犠牲になってしまいます。
 
> ルールを自分の中にしっかり刻み込む、
> というレベル2の段階をしっかりクリアしていない人は、
> まずそこをしっかりやってください。
 
 
 
 正しいことが正しいと信じられる。
 正しくあろうとして、いつも努力している。
 
 このレベル(感情のレベル2)を卒業して初めて、
 
 こういうルールや正しさだけでは、
 うまく行かない難しい状況もある、
 
 ということが、
 自己犠牲ではなく、成長課題として、
 受け入れられるのだと思います。
 
 
 
 さて、今日のこの記事、
 
 私は、主に誰に向かって書いたのか。
 
 
 一見、いま浮気問題が起きている人に向けて
 書いているような感じになっていますが、
 
 
 もちろん、そういう方に直接役立てて頂くのも、
 嬉しいと思っていますが、
 
 
 むしろ、自分の子供時代を振り返ってほしいと思って、
 書いています。
 
 
 あなたにとって、この世界は、
 正義のある、信じるに足る世界ですか?
 
 それとも、大人は信じられない。他人は信用できない。
 この世界はウソとごまかしに満ちていて、正義なんてない。
 そういう感覚の方が強いですか?
 
 
 もし、後者だとしたら、
 あなたは、子供時代に、
 
 まどかのように、
 ちゃんと社会の矛盾から守ってもらって、
 ちゃんと正しいことが通用する家庭環境を作ってもらって、
 
 ・・という経験をさせてもらえなかった。
 
 ということは、ありませんか?
 
 
 そこを、振り返ってみてほしいと思って、
 この記事を書いたんですね。
 
 
 
 そういえば前回のココヘルで、
 十分に感情のコントロールレベル2を卒業した人が、
 レベル3に進むためには、何をしたらいいか、
 それを書きます、なんてことを最後に書きましたので、
 
 それに関連したことを書いて、
 今回のまとめとします。
 
 
 何はともあれ、十分にレベル2を卒業する努力。
 これが、大事なんだと思っています。
 
 すると、社会には色々な矛盾もありますから、
 その先に進まなきゃいけない状況は、勝手にやってくる。
 
 
 そのときに、正しさを振りかざして
 意固地になるだけではなく、
 
 正しくいられない状況や、
 正しくいられない人を、
 
 
 どうしてそうなっちゃうんだろう?
 
 と、その状況の背景や、
 その人の生きてきた背景も含めて、
 
 理解するように努める。
 
 
 
 自分の基準で、相手が間違っているからといって、
 一方的に裁くのではなく、
 
 
 自分の基準はもちろん、
 しっかり持っていていいんですが、
 
 その上で、
 相手には相手の事情があることを理解しようとする。
 
 
 これが、レベル3に進むことだと思います。
 
 
 
 というわけで、
 感情のコントロールレベルのシリーズ、
 これにて一旦終了、といたします。
 
 
 次回もお楽しみに!
 
 
 
 
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 恋愛セラピスト 玉川華世(HaNA)
 マリッジライフセラピスト 花桜里(かおり)
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 一覧はこちら。
 https://www.556health.com/therapist-list.html
 
 
◆編集後記
 
 しばらく配信していないうちに、私がやったこと。
 
 ・家族で江ノ島水族館へ。
 ・ロードバイクで山中湖まで往復した(100km走破!)
 ・スズキケンジさんと釣りに行った(20年以上ぶりの釣り!)
 
 あと、
 ・登録セラピスト限定の「セラピー研究会」を開催。
  ↑これは、楽しかったし、いい学びになりました。
 ・研究会のあと、みんなで忘年会(ちと早いけど)
 
 私にとっては、楽しいことがいっぱいでした。
 
 
 今年は、色々ありましたが、
 充実した一年として、締めくくれそうな気がしてきました。
 
 あ、たぶんまだ配信しますんで。
 良いお年を?、なんてまだ言いませんよ(笑)
 
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 ◆女と男の「心のヘルス」ー癒しの心理学
 祝!TBS・日テレ・フジテレビ出演(目指せNHK!)
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 ◆制作:阿妻靖史(あづま やすし 恋愛セラピスト)
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