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愚者は経験に学び、賢者は・・・(さてなんでしょう?)

あづまです。こんにちは。

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ、
ドイツの宰相オットー・ビスマルクの言葉が語源です。

しかし、この言葉、どうやら誤訳・・・とまでは言えないですが、
かなりの意訳のようです。

もともと、「自分の経験から学ぶと信じているのは愚者だけだ。私はむしろ、最初から自分の誤りを避けるため、他人の経験から学ぶのを好む。」というのが原文だったようですが、それを、どうしたんですかね、カッコつけたのか、歴史と訳してしまったみたいですね。


この誤訳のため、本当に大事な要素が抜け落ちてしまったようです。


最近、「クリティカルシンキング」という、先入観や思い込み、人間が陥りやすい間違った結論付けを避け、いかに正確に判断を下すか、という技術について、学んでいるのですが、

人は本当に、自分が経験したことを、重要視しすぎてしまうんですね。


例を挙げて説明すると、こういうことです。

たとえば、Aさんが不運にも交通事故に遭ったとしますね。

確かに、気をつけるべき点は色々あったのかもしれませんし、次に事故に遭わないように反省して改善できることは、改善した方がいい(車の通りが多く歩道がないところは歩かないとか)と思いますが、

そもそも、Aさんは、そのほかの大多数の人と比べて、取り立てて交通事故に遭いやすいライフスタイルで生きていたのでしょうか?

信号無視が多い、横断歩道以外を渡る習慣がある、スピード違反が多い、運転が荒い、など、明らかに危ない行動が多いなら、反省した方がいいですが、

そうでもないなら、
事故に遭ったのは、単に不運だっただけ、という話です。


事故の前後で、
Aさんが、今後事故に遭う確率が変化したわけではないです。


しかし、
自分が体験したことは、
本人的には、極めて重要な出来事ですから、

ここで、他人がどうなのか(他人の経験も考慮に入れる・・・つまり、自分の周りの人が事故に遭っている率ということ)も参照してみることなく、

自分の経験のみを重大視してしまうと、


自分の身の回りで起こる出来事についての、
起きる頻度を見積もる時に、
過剰に自分の経験に基づいて見積もってしまいます。

過剰に事故対策をしてしまったり(少しでも車の通りの多い道は歩かないとか)、
自分の子供に「交通事故だけは気をつけなさい!!」と口を酸っぱく言ってしまったり、
交通事故関係の保険には過剰なほど手厚く入ってしまったり(ほかはそうでもないのに)、
と、バランスを崩してしまうことがあり得ます。


火災保険を売るのに一番適した相手は、
火事にあったばかりの人である、
という、ブラックユーモアがあります。


もし、事前にクリティカルシンキングをしていて、火災保険に入らないことが、自分の人生においてメリットがあると判断していたのであれば、仮に、火事にあったとしても、その後も「それは不運な出来事であって、今後も火災保険には入らない」ということになるはず。


でも、そうならない。
人間の感情のなせる業です。
ここでは、感情が、判断を歪めてしまう方向に、マイナスに働いています。


そのときに、大事なことは、
自分の身に降りかかったことだけを基準にものごとを考えるのではなくて、

社会の統計データや、
身の回りの人の体験談、
など、他人の経験も考慮して、判断を下すと言うことです。


但し、マスコミのニュースを参照するのは、
若干問題があります。

人間の感覚は、狩猟採集の時代のものを色濃く反映しています。
数十人からせいぜい百人程度の人と付き合いがある、というライフスタイルです。

しかし、日本国内だけを考えても、人口が1億人を超えています。そこで起きたニュースというのは、身近には起きにくいことも、日本中から拾ってきて、"濃縮して"報道されてしまうので、人間の本能的感覚が狂います。

たとえば、殺人事件は年間1000件程度であるにも関わらず、メディアに登場する回数は、センセーショナルであるという理由、ニュースになりやすいという理由で、多いわけですね。1億人に対しての千件ですから、一年当たり、殺人事件に巻き込まれる確率は、10万分の1ぐらいですね。交通事故はその10倍ぐらい、心臓発作で亡くなる人は年間3万人なので、殺人の30倍。しかし、センセーショナルじゃないので、ニュースには全然なりません。ニュースを見て感覚的に判断すると、人生にどんなリスクがあるかの見積もりは、かなり間違ってしまうわけです。

さて、話を戻しますと、
自分の狭い経験だけにとらわれず、
・客観的な統計データ
・身近な人の体験談(の事実部分。尾ひれは除く)

も参照した上で、
判断を下すことが、とても大事なんですが、


人間ってどうしても、
自分の体験したことが、
世界中で起きているような、
感覚にとらわれやすいものなので、

このことを知った上で、
より一層、気をつけて判断する姿勢が、
大事なのかな、なんて思います。


そして、

こういう、冷静で客観的な判断基準も持つ、
という姿勢は、自分を救うのだと、私は考えています。

というのも、
冷静で客観的な判断基準を持って、
事故の前後での判断基準は、変わらないはずだと結論づけたとして、

でも、感情がそれについてこない、
どうしても怖くなってしまって、
過剰に保険に入りたくなったり、
外出を控えたくなってしまう、

という、
理性的な結論と感情的な結論に解離が生じている、

ということに気づくことが出来れば、

「あ、合理的判断に、感情がついてきていないんだな」と、
自分で気づくことが出来ます。


そうしたら、その時点で、
感情のケアの本を買って、実践してみるとか、
感情のケアが得意なカウンセラーを見つけて相談してみるとか、

自分の感情のケアをしよう、という、
建設的な行動が取れるからです。


一方で、理性的に判断して、
やっぱり自分の行動は危険が多く、その他大勢の、一般の人よりも自分は事故に遭いやすいと結論づけるのなら、
感情のケアではなくて、「行動を改め、事故に遭いにくくする」という方向で、現実問題に対処すべきであると結論が出せます。

理性的な判断を大事にしているからといっても、
私は決して、感情を無視していいとは考えていません。
感情、大事なんです。

人生の意味も、幸せも、
感情あってのものです。
だから、感情は大事なんです。

でも、理性的判断を、できなくなったら、
今度は、感情に振り回されるだけの人生です。

自分が、感情に振り回されているのかどうか、
どうしたら判断できるのか?


それは、ちょっと難しい話ではありますが、

最初に試みるべきチェックポイントは、
理性的な判断、クリティカルシンキングによる結論と、
感情的な結論が、一致しているかどうかです。


理性も感情も大事にする、
そういう姿勢を、
これからも、大事にしていきたいと思います。

ではまた!


ps.
例として「浮気問題」を使おうかと思いましたが、人間関係の問題の場合、単に確率的に不運だった、と結論づけられない問題が潜んでいることもあるため(浮気男は「今目の前にいる相手のことだけしか見えない」人が多いため、「私だけを見てくれている」という感覚を過剰に求める女性は、そういう男性とカップルを作りやすい、などの傾向)、確率の話として考えにくいんですね。
そこで、より、ニュートラルに確率の話として書ける事故の例を使いました。
本当は、本業である人間関係の話を例に、こういう記事が書けるようになりたいんですけどね。努力します・・・





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