【ココヘル650】分ければ指針、まぜればゴミ(決断力を高める10)

 

★女と男の「心のヘルス」ー癒しの心理学 650号 2015.2.13
 
こんにちは。あづまです。
いつも読んで下さってありがとうございます。
 
anan 載りました!
いま発売中の、大人の恋愛特集号。
ざっと他の記事も読んでみましたが、
いやー、これ、気楽に読む雑誌として、
大丈夫なんですかね?
って思うぐらい濃ゆーい内容。
 
とりあえず、恋愛セラピスト的には、
よくやった!と讃辞を送りたい気持ちです。
 
 
あと、前回のクイズの解答が
違うのではないか、という複数のご指摘を
いただきまして(おっしゃる通りです)、
文末に、訂正etcを載せました。
 
★本編
 
 
例題はこれでしたね。
 
今の彼氏はいい人なんだけど、
収入が低い(年収で300万円程度)。
結婚しても、もし子供が生まれたら、
夫婦は経済的に困窮してしまうかもしれない。
彼と結婚すべきか否か。
 
 
彼と、結婚する方にも進めない
彼と、別れることも選べない
 
ということは、
 
その、どちらの行動も、
 
本人にとって「二次プロセス」になって
しまっている、ということなんです。
 
 
一次プロセスというのは、
慣れ親しんだ、勝手の分かった世界のことで、
 
二次プロセスというのは、
未知の怖い世界のこと。
 
 
そういう場合、
「そっち進んだら、どうなると思うの?」
ということを問いかける、
という話までで終わっていました。
 
 
これ、一般論では語れなくて、
人によって解決のポイントが結構違うんですね。
 
よくある原因をざっと分類しますと、
 
(1)単に未知である
(2)意識化できていない【不可欠な】価値観が潜んでいる
(3)インナーチャイルド的課題が背後にある
(4)メンタルよりは現実問題寄り
 
という感じです。
 
なぜこういう分類なのかというと、
解決の方針別、という色合いが強いんです。
 
これは、本に書いてある分類とは違います。
 
心理学の本とか、
インナーチャイルド系の本を読むと、
「原因」というか「そうなった経緯」について、
詳しく書いてあります。
 
毒になる親、とか、
愛着の問題であるとか、
虐待の問題とか。
 
それはそれで、社会的には意義があることですが、
 
たとえば、子供の頃に、
親がその場の感情に振り回される人で、
・普遍的正義
・社会的なルール
などについては、安定して、教えてくれなかった。
(交流分析的には、健全なCPの欠如、と言いますが)
 
その結果として(親を反面教師として)、
正義をきちんと守る、ということを、
人一倍、重視するような考え方に育った、
 
という人がいたとしますね。
 
これは明らかに、
その価値観の形成の過程を考えたら、
インナーチャイルド的です。
 
しかし、
もっと大事なことは、
 
どうやってできた価値観であるにせよ、
・それが過剰反応なので、変えたいと思うのか
・その価値観を軸として大切にしたいと思うのか
 
そう、
変えたいのか、大事にしたいのか、
そこなんです。
 
 
同じような経緯で、
同じような心の課題を持ったとしても、
 
そこから先、
その価値観を変えたいと思うか、
一生大事にしたいと思うか、
それによって、解決のための取り組みも、
生き方の方針も、かわってくるわけです。
 
 
解決方法を考慮した上で、
分類してある、というのは、
そういうことです。
 
具体的には、
 
(1)単に未知である
解決の方針
→未知の世界を(想像でもよいので)体験してみる
→似たような道を行っている「お手本」を見つけて観察
など。
 
(2)意識化できていない【不可欠な】価値観が潜んでいる
解決の方針
→その不可欠で重要な価値観を、きちんと意識化する。
その上で、その価値観を守る方法を幅広く検討する。
など。
 
(3)インナーチャイルド的課題が背後にある
解決の方針
→インナーチャイルド的課題
(子供時代のトラウマ・承認不足)
を解決する。心理療法的ワークなど。
など。
 
(4)メンタルよりは現実問題寄り
解決の方針
→メンタル面には負荷がかかるが、
現実問題(例題なら収入を増やす課題)に取り組む。
など。
 
ここで、私の持論ですが、
「問題の原因がこれである」と決めることを、
「原因帰属」と言うのですが、
 
原因帰属をする際に、
「使う言葉はきわめて慎重に選ぶべき」
と考えています。
 
大事なポイントは、
「これが原因だ、という言葉を聞いて、
最初にぱっと思いつく解決の方針が、
正解である」ように、定義する、というところ。
 
ここ、結構いい加減な人、多いんですよ。
 
 
「親子関係」が原因
とか言われたら、
「今から親子関係をよくするべきなのかなぁ」
って反射的に思うでしょ?
 
本当にそうなら、
その原因帰属でいいんですが、
逆にそれで苦労しちゃうことも多い。
 
人をミスリードしてしまう言い方になっているなら、
その言葉は、使わない方がいい。
 
 
心の「承認不足」が原因です。
主に、親子関係の影響から、
そうなったと考えられます。
 
という言い方なら、
 
「じゃあ、承認の不足をどうにかすればいいの?」
「どうすれば?」
 
って発想になりやすい。
 
もし、本当にそう見立てたとしたら、
この言い方は、OK、ということになるわけです。
 
 
それをふまえて、
もう一度、よっつの分類を説明していきますが、
 
(1)単に未知である
 
基本的にわりと怖がりな性格で、
今までは、割と守られてきた。
でも、一人の大人として、
自分で人生に直面しなければいけない場面に
遭遇して、固まってしまっている。
 
というような感じ。
で、特に、過去の未解決の感情や、
癒されていない傷、承認不足などが、
大きな問題として、存在するわけではない、
という場合。
 
↑過去の問題が無くても、
大きな課題を前にして、固まることは、
人間、あるわけです。
 
 
(2)意識化できていない【不可欠な】価値観が潜んでいる
 
これは、このシリーズの最初の方に、
ちらっと書いたこととも関係していますが、
本当は、同性にバカにされたくない、
が動機かもしれないし、というような話。
 
あるいは、彼が人の和をとても大切にする人で、
そのことも関係して、社会的に意義のある
仕事をしていて(理想を追求するあまり、現在の
貨幣経済の中では、なかなか稼ぎにつながらず)、
でも、それを大事にしたい自分は、
彼をバッサリ切って捨てることは、
自分の大事な一部を切って捨てることになるので、
そんなことできない、みたいなこと。
 
自分にとって、どんな価値観を大事にするのか、
それが意識化できていないと、
なんかわけ分からないけど、前に進めない、
ということが起きます。
 
 
(3)インナーチャイルド的課題が背後にある
 
これは、例題に沿って考えるなら、
見捨てられ不安があって、
とにかく、彼と離れて一人になるということが、
どうしてもできないので、
 
私のことを、向こうからは見捨てなさそうな
人にしがみついてしまっている、みたいな
ことが起きているわけです。
 
 
(4)メンタルよりは現実問題寄り
 
色々考えたり、自分の価値観やインナーチャイルドなど、
自分の内面もしっかり見つめた結果、
 
やっぱり、彼はベストパートナーだと思えて、
困難があっても、進んでいこうと思えたら、
 
これはもはや、いわゆるメンタルな課題ではなく、
どうやって、この難局を乗り切っていくかという、
現実問題として対応すべき課題になります。
 
投資のセミナーに行ってもいいし、
スキルアップして収入を増やすための活動を
二人で一生懸命やってもいい。
 
 
 
 
今日はここまで。
 
次回をお楽しみに!
 
 
 
 
※なお、この記事の内容は、
 3月に開講する予定の、
 「人間関係セラピスト養成講座 パートC」
 のコンセプトを簡潔にお伝えしているものです。
 
※パートCの受講のためには、パートAの受講が必須です。
 https://www.556health.com/sp/r_therapist_ws/part_a.html
 
 
 
★Lのマメ知識
 
愛着障害
 
って言葉、聞いたことありますか?
 
先日、NHKのクローズアップ現代で、
愛着障害が取り上げられていました。
 
「広島強盗殺人事件」
16歳の少女がライン(通信アプリ)でつながった
同世代の少年少女に殺害されたという事件。
 
昨年秋主犯格の少女に判決が下されたんですが、
(本来法律というのは内面は問わない、
 行動と刑罰を対応させる、というのが原則
 ではあるのですが)
 
愛着障害があることが、犯行の原因の一端とされ、
減刑されたんですね。それで注目されたわけなんですが、
 
 
愛着障害
 
この影響を受けている人は、実は結構多いです。
(犯罪までいたる人は少ないですが)
 
愛着というのは、
ある、特定の人と、まず、安定した関係を作る。
その人が、安全な居場所となって、この世界で生きる
上での安心感が育まれる。
 
→そうなると、他の人との関係を作るように、
「冒険」に出かけていき、社会的な面が育っていく。
 
というプロセスで、
健全な精神の発達に重要なんです。
 
大体、愛着の問題の根っこは、
三歳ぐらいまでに形成されると考えられていまして、
 
従って、愛着を形成すべき相手とは、
基本的に親です。実質的に多くの場合母親ですね。
 
 
その時期に、
大事な人(母など)との別れを経験したり、
 
あるいは、広島のケースでは、
虐待が日常化していたそうですが、
 
そもそも、安全・安心を感じることが
できない環境にあったりした場合、
 
 
愛着が形成されないまま、
大人になってしまうんですね。
 
 
すると、大人になっているのに、
ある、特定の相手に、
べっっっっったり依存してしまったり、
 
その人が、(赤ちゃんの自分vs理想の母親のような)
理想的な対応をしてくれないと分かった瞬間に、
急に激しく失望したり怒りを覚えたりして、
 
関係をバッサリ切ってしまったりして、
 
 
他人との適切な距離感を
持つことが難しくなったりします。
 
 
セラピーをしていても、
このテーマが根底にあると感じることは、
少なくないです。
 
 
愛着障害 岡田尊司著 光文社新書
によれば、大体人口の1/3くらいが、
不安定な愛着パターンを持っているとのこと。
 
数パーセント、とかじゃなくて、
3割超えですから。
 
かなり身近な問題です。
 
50人のクラスを考えたら(そんな大クラス無いか)、
17人ぐらいが当てはまるわけですから。
 
 
やはり、特定の相手との、
安定した関係を持つことが、
改善の、はじめの一歩になると考えられているようです。
 
 
 
 
 
★脳トレ的クイズ
 
前回の問題で、
いろいろ、ツッコミを頂きましてm(_^_)m
 
みなさん、ちゃんと読んでるのね(^^ゞ
 
巻末に(下までスクロール)色々コメント書きました。
 
 
では、今回の問題ですが、
なぞなぞです。
 
「そらの上には何がある?」
小学校低学年の頃出されたなぞなぞ、
(だったと記憶しています)
 
 
回答は、ココヘル+で。
ご登録はこちらから。
https://www.556health.com/sp/e-zine/
 
 
 
★登録セラピストのセラピーも絶賛受付中です
https://www.556health.com/therapist-list.html
 
 
◆編集後記
 
妻の親戚に不幸があって(親とかじゃないのでご心配なく)、
2/11は幸恵ちゃんが広島に日帰りで行っていまして、
そのため、一日子供と室内遊技場で遊び・・・
 
昨日も体を動かしたことも関係するのか・・・
今日になって、激しい筋肉痛が・・・あいたた・・・
 
┏━◇━━◇━━◇━━◇━━◇━━◇━━◇━━◇━━◇━━┓
 ◆女と男の「心のヘルス」ー癒しの心理学
 祝!TBS・日テレ・フジテレビ出演(目指せNHK!)
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前回の回答の訂正
 
(1)
1,1,2,3,5,8,13,□
 
(2)
1,2,3,5,7,11,13,□
 
(3)
0,2,5,9,14,□
 
3はちょっと難しいかも。
 
 
・・・という問題でしたが、
 
(1)25
(2)17
(3)20
 
です。
 
↑と、書きましたが、
単純な計算間違いにより、
(1)は、21が正解でした。
失礼いたしましたm(_^_)m
 
 
それから、(3)についてですが、
単純に、2,3,4,5,6を足していくと
考えることもできるのでは?というご指摘を
頂いたのですが、
 
これは、
数学的には、等価である。
と、言えると思います。
 
まず、直感的説明ですが、
 
三角形の一辺に、ぴったり別の三角形をくっつけて、
四角形を作ると考えると、
それまで辺だった部分が対角線になり、
さらに、新しくつけた三角形の、辺を共有していない
頂点から、4ー3=1本の対角線が引ける。
→新たに2本対角線が増える。
 
四角形に、同様に三角形をくっつけて、
五角形を作ると考えると(中略)
→新たに3本対角線が増える。
 
以下同様。
 
 
また、1,2,3,4,5,・・・
という、一般項がnである数列の和は、
n*(nー1)/2 なんですが、
設問(3)はここから1を引いたもの。
n*(nー1)/2 ー1
 
最初が「3」角形で、数字が2進んでいたことを
考慮して、k=n+2と置き換えると、
 
(途中の計算は略)
 
k*(kー3)/2
となりました。
 
えー、
従いまして、
数学的には、等価である、と。
どっちで表現しても同じ、
ということでした。