モラハラする相手に対して困っている時、まず何をすべきか?

 

あづまです。
 
最近、相手がモラハラで困る、という悩みのご相談が割とあります。
 
※モラハラ:モラルハラスメントの略で、「暴力」をふるうわけではないが、自分以外の他人に対して見下す発言、理路整然と追い詰める、暴言を吐く、悪口を言う、などの形で、精神的圧迫をすることを、モラハラと言います。
 
 
「そういう相手に対して、どう接したらいいでしょうか?」
という相談を受けることが多いのですが、
 
この質問が既に、『解なし』になっていることに気づくことが必要です。
 
人生は、自分にどんな問いを投げかけたかで決まります。
残念ながら、この問いは、解決の道を含んでいない、『解のない』問いです。別の言い方をして『(考える)甲斐のない』問い、とも言えます。
 
ではどうしたら・・・という声が聞こえてきそうですが、
その前に、なぜその問いでは、解がないのか、その理由をおはなしします。
 
 
モラハラをする人を、交流分析的に表すと、
CPとFCが優位になっている人、と表現できます。
 
ちなみに、交流分析ではこころの働きを、次の五つで表します。
CP 「○○すべき」と、ルール・道徳・規範を守り、守らせる心の働き
NP 相手の気持ちに共感し、お世話をする心の働き
A  合理的、客観的に判断する心の働き。心の司令塔。
FC 自由な感情。○○したい、○○したくないという素直な気持ち
AC 協調し、相手に合わせる心の働き。
 
 
そして、そういう相手に、どう接したらいいか?
という問いは、
「相手のFCに対して、どんな風にNPで受け止めたら良いか」
「相手のCPに対して、どう合わせたら良いか(=ACの働き)」
という構図になっています。
 
さらに、CPとFCが高いオレサマな相手に対して、
NPとACが高い、従順なタイプが従うという構図が、
モラハラ問題を固定化してしまっていて、
解決を難しくしているのです。
 
つまり、こういうことです。
 
 
「そういう相手に対して、どう接したらいいでしょうか?」
という問い自体が、
 
自分のNPとACを働かせる問いなので、
もう、この問いを、自問した時点で、
どんな答えを導き出したとしても、
 
 
オレサマタイプに、従順なタイプが従うという、
モラハラの起こる構図を、固定化してしまうわけです。
 
 
もう、問うた瞬間にゲームオーバー、みたいな質問になっているわけです。
(ちょっと大げさに表現してみましたが・・・)
 
 
そういう質問をするクセのある人は、
NPとACを働かせるクセが、既についていますから、
そういう自分を変える必要があるのです。
 
そこから取り組まないと、付け焼き刃では解決しません。
自分を変えずに、小手先のテクニックで、モラハラなその相手を、
何とかしようという試みは、まず成功しないよ、ということを、
改めて、言っておきます。
 
 
では、改めまして、
モラハラな相手に悩むとき、自問すべき問いは何か、
という始めの問題に戻りますが、
 
 
CPとFCを完全に相手の役割、
NPとACを自分の役割、
という風に固定化してしまっていることが問題なのですから、
 
相手の役割になってしまっているCPとFCを、
自分の側に持ってくるということが、基本方針になります。
 
CPを高める質問としては、
「私は、人生で何を大切にして生きていきたいのだろうか?」
「私が、この人生で大切にしたいものは何だろう?」
「私が、人としてどうしても守りたいものは何だろう?」
「人として(できれば皆が)守ってほしいと思うことは何だろう?」
 
など、人生を生きていく上での、基本ルール道徳観などを問う質問があります。
(そのモラハラな相手は、あなたの大切にしたいルールを守る人ですか?)
 
FCを高める質問(基本編)としては、
「私は今、何をしたいのだろう?」
「私はいま、何が食べたいのだろう?」
「私がイヤだと思うのは、どんなことだろう?」
など、日頃から、自分の気持ちを確認するような質問がいいですね。
 
但し、モラハラな相手は、多少あなたがFCを高めたとしても、
それ以上の強い圧力で、自分のFCをねじ込んできます。
だから、自分の気持ちを自分で確認する、ということが、
・ひとりでいるとき
・気の置けない友達などといるとき
に、できるようになったら、
 
次の段階として、モラハラな相手を目の前にしているときに、
「私はいま、どう感じているのだろう?」
「私は相手の要求に対して、OKと思っているのか、嫌だと思っているのか、どっちだろう?」
「私は(そのモラハラな)相手に対して、どんな感情を持っているのだろう?」
 
など、目の前にその相手がいるときでも、自分の感情をちゃんと感じることができるように、自分をトレーニングすることが必要になります。
上に挙げた質問は、そのために役立ちますが、1回自問したぐらいでは、できるようにはならないかもしれません。繰り返し練習して、目の前にモラハラな相手がいるときでも、自分の気持ちをちゃんと感じることを、やめない、そういう自分を育てることが大事になります。
 
 
それで、相手のモラハラは治まるのか?
 
 
気になるところですよね。残念ながら、治まらないケースの方が多いと思います。結局お互いにCPとCP(異なる価値観)同士でぶつかり合い、FCとFC(欲求と欲求)同士でぶつかり合い、一緒にはいられない、という結末になる可能性は、結構高いと思います。
 
 
残念な結論ですか?
 
 
でも、カップルの片方が一方的に自分の価値観や欲求を主張するばかりになり、もう片方はただひたすら合わせていく、という関係は、そもそも不健全だと思います。
自分の価値観や欲求を大切にしたら、二人は一緒にはいられない、という結末になったとしたら、不健全な関係が終わりを迎えた、ということなのです。
残念な結論ではありますが、私に言わせれば、それまでがもっと残念な関係だったわけです。そこに勇気を出して、くさびを入れて、最終的に膠着状態だった状況を打開したのだから、その勇気と自分を変える行動には、誇りを持っていいと思います。
 
 
では、次の記事で、モラハラな相手に働きかける方法はあるのか、という話を書いていきたいと思います。気楽な話は一切ないので、読むときは覚悟を持って読んで下さい。
 
ではでは!