ハーバード白熱教室, マイケル・サンデル教授, 浮気はなぜいけないのか, 正義, 規範

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「浮気はなぜいけないのか?」について議論しましょう、準備編

マイケル・サンデル教授「これからの正義の話をしよう」本の表紙画像

最近、マイケル・サンデル教授の、
「ハーバード白熱教室(NHK教育テレビ)」にとても感動して、
自分でも、ミニ白熱教室をやってみたいと思いました。

とは言え、法律的な正義とは何かという議論をしても、恋愛セラピストという職業柄、少しずれた感じがするなぁ、恋愛に悩んでいる人の役に立ちにくいしなぁ…と思っていたのですが、

より善く生きるためには、何が必要か。
それを突き詰めて考えているうちに、

人の心の成長のためには、
(1)母親的な愛情 「よい子のあなたも、悪い子のあなたも、ここにいていいんだよ」
(2)父親的な愛情1 褒める、感謝する (長所を認められて自信をつける)
(3)父親的な愛情2 叱る、諭す (社会規範、ルール、正義を身につける)
(4)自主性を育てる 自分で考え、決め、行動し、責任を取る習慣を身につけさせる

という、四つの異なる愛情が必要だと考えるようになりました。
それぞれ(1)「包む」(2)「褒める」(3)「叱る」(4)「見守る」と覚えるとよいでしょう。

心理療法は、ありのままの自分を受け入れて、自己肯定感を育てる母親的な愛情を補う部分に効果を発揮することが多々あります。私が提供するワークの中では、傾聴、インナーチャイルドのワーク、ゆるしのワークなどがこのカテゴリーに入ります。

しかしそれだけでは、人は善い生き方をすることはできません。
たとえば、浮気を繰り返している人は、心の奥底に寂しさを抱えていて、救いを求めていることも少なくありませんので、ありのままの自分を肯定してもらう、母親的な愛情を補う必要は、確かにあるのです…ですが、だからといって、浮気を続けている状態を正当化していいと言うことにはなりません。

やはり、叱られて、諭されて、今の行動をやめていくよう、動機づけられる必要もあるわけです。

この、「何が正しくて、何が間違っているのか」という規範、基準の部分を身につけるのは、比較的難しいものです。親がそういった基準をしっかり持っている人であれば、親から受け継ぐことができますが、そうでない場合、心理療法を受けても、結局「癒されはしたけれど、善い生き方の基準は身につかなかった」ということになりやすいのです。


(1)?(4)までの愛情全てで心を満たしていく必要があります。
そう、適切な叱られ方をすることも、愛情なのです。


私は最近、セラピーの面談時には、(1)の包む愛を心に補うワークを行い、(2)の褒める愛は、日頃の生活の中で受け取るほめ言葉や「ありがとう」をしっかりと意識して受け取り、場合によっては簡単なワークで子供時代の「褒めて欲しかった自分」を呼び出して、その子にほめ言葉や「ありがとう」のエネルギーを注ぐような取り組みを指導しています。

今まで、一番難しいと感じていたのが、(3)叱る、諭す、の部分。
仕事などで、人間的に信頼できる上司が愛情を込めて叱ってくれたりすると、人は成長できるのですが、業務評価だけしていたり、あるいは上司本人の感情にまかせて怒るだけの人だったりすると、なかなか、人間としての「軸」を育ててもらえる機会にならないんですね。


そんな中、NHK教育で放送されていた、マイケル・サンデル教授のハーバード白熱教室を見て、「この道に、可能性があるかもしれない」と感じました。

よい親に育てられていても、やはり自分の中に正義の感覚を、よくよく考えて育てていく作業は、誰でも必要なものです。それならば、始めから、正義とは何か、正しいこととは何なのかを考えていく作業を通して自分を育ててもよいのではないか。そう思いました。

むかしの人は親から子育ての方法を学びましたが、今は子育て雑誌やママ友の情報交換なども重要な情報源になっています。親から学べなかったことも、あとから学べばよいわけです。

規範の意識や、正義の感覚についても、あとから学べるのではないか。
そんな期待を込めて、正しいこととは何か、それをウェブサイト上で考えていきたいと思います。

そして、最初のお題は、

「浮気はなぜいけないのか」

にしたいと思います。


浮気はなぜいけないのか?

浮気された側は傷つくから。
多くの人はそう答えるでしょうが、実はそれだけでは
答えとしては不十分です。

嬉しい、楽しい、幸せが善。
苦しい、傷つく、辛いことが悪。
なのだとしたら、

浮気相手の女性が、本妻よりも傷つきやすい人だったら、浮気関係を解消することは悪になるのか?
そこまで考える必要があるわけです。

そして、本妻か浮気相手か、少なくとも一方が関係の清算によって傷つくことが避けられないのであれば、通常本妻の意思が優先されますが、なぜ、本妻の利害の方が浮気相手の利害よりも大事に扱われる必要があるのか?

そこまで答えて初めて、
「浮気はなぜいけないのか?」
に答えたことになるわけです。

(あくまで【原理】【原則】を考えるための質問です)


あづまがガイド役、考えを整理する役をしますので、間違ってもいいですし、あとで「あ、ちがった」と意見を変えてもかまいませんので(というかむしろ歓迎します)ぜひ、「私はこう思う」という意見をコメント欄に書いて欲しいと思っています。

原理、原則を考えて、ものごとを考える時の「軸」をもつ助けにするのが主旨ですから、このサイトの他のページとは異なり、個人的事情を書いて下さっても、それが議論を深めるのに役立つのでない限り、回答はしません。むしろ議論の妨げになる場合は削除しますので、その点ご了解下さい【個人的な事情を相談する場ではありません】。

(2010/12/30追記)
本編を開始しました。コメントはそちらにお願いいたします。
「浮気はなぜいけないのか?」について議論しましょう。





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コメント

こんなトピックを選ぶとは骨太ですね。
私の意見としては、結婚の時の「約束」に関係しているのではないかと思います。

精神的に病んでいる場合を除いて、約束を破ることをよいことだと思う人はいないと言っていいでしょう。

日本人の多くが行うキリスト教式の結婚式では、誓いの言葉で下記のように言います。

「私はこの女性(男性)と結婚し夫婦となろうとしています。
私は健康な時もそうでない時も、この人を愛し、この人を敬い、この人を慰め、この人を助け、私の命の限り固く節操を守ることを誓います。」

つまり、いつまでもあなただけを愛します。あなた以外の人を異性として愛することはしません。と約束をしているわけです。

その約束に基づいて、生涯共に生きていく決断をお互いにしているわけです。

浮気とは、上記の約束を破ることになる。相手の信頼を裏切ることになるので、いけないことなのだと思います。

投稿者 日向陽一@幸せ家族コンサルタント : 2010年12月21日 10:24

まずこの議論を始めるにあたり必要なのが「浮気の定義」だと思われますがいかがでしょうか?
何を持って「浮気」とするかは個人により異なります。
また能動的な態度と、受動的な態度によっても議論が分かれるのでは?と思いました。

1)浮気のレベル
1?A) からだの関係
1?B) 二人きりで一緒に旅行に行く、出かける等の行為
1?C) メールや電話等で好意を伝え合う
1?D) 心がパートナーからはなれ他の人のことを考えるが行動には移していない状態 
1?E) パートナーに対してなんらかの原因(冷めた、飽きた、依存症等)で関係を持ちつつも真剣なコミュニケーションが取れない状態(一緒にはいるが愛情はない)

2)受動的な浮気のパターン
2-A) 不倫やパートナーがいる彼(彼女)の誘いに承諾する
2-B) 不倫やパートナーがいる彼(彼女)の誘いにそれとは知らずに承諾する
(よくある既婚者とは知らなかった・・というパターンです)
2-C) 不倫やパートナーがいる彼(彼女)との関係をやめられない
2-D) 不倫やパートナーがいる彼(彼女)との関係から脱するために、元あるカップルの絆を破壊する行動にでる
2-E)商売(愛人として生活を立てる)等

能動的は省いてもいいと思います。とりあえず
隠してアプローチ、隠さないで正々堂々アプローチ、かどちらかでしょう。

3)浮気原因?
3-A) コミットメントフォビア等の心の問題で一時的な関係の重圧や苦難から逃れるために浮気をする
3-B) 浮気すること=悪という通念がない(この場合「嘘がばれることが悪いこと」という価値観になる)
3-C) 興味本位
3-D) 公認(最初から複数のパートナーがいることを公言する、病気やその他の理由で浮気公認)
3-E) 商売
3-F)本気(あるんでしょうかね・・・)
3-G)自己肯定ができないため、常に保険をかけておく状態(ココヘルで記事になっているパターン)
3-H)社会的プレッシャー(大金持ちは愛人を持つのが普通、等)
3-I) 嘘をつくスリルを求める(退屈を紛らわすため)
3-J) 浮気という概念が本人にない、または社会通念上「推奨されている」状態
3-k)復讐 または懲罰
3-L)パートナーとのコミュニケーション不在

そんなところでしょうか??

投稿者 なな : 2010年12月21日 16:53

あと「他人の築いたものがほしい」というパターンも浮気は多々ありますね。
実際、男女とも仲のよいカップルへの嫉妬からというのはよくある動機だと思います。
そんな人とかかわりたくないけど(笑)

交際中と、既婚の場合の二者に共通する、「なぜ浮気はいけないか」ということを考えると、

1:コミットメントの上に結ばれた既得権益をおかしてはならない」という暗黙のルールが社会に存在する
(どんなプリミティブな部族でも「家族や部族の和合」を乱すものには罰があります。)

2:関係性というのはできる限り安定し長続きさせるのが望ましいという社会通念に対する抵抗
少なくとも浮気は関係を破壊する可能性が大きいです。また経済的な問題が生じることもあるでしょう。

3:生物学的な問題
乱婚社会では近親相姦や、誰が父親かわからない、等の問題が生じます。つまり本能に迫る問題です。

そして・・コレが最大だと思いますが・・「気持ち」です。

3:他人の気持ちというのは所詮腹をくくって「信頼するしかない」

同じ状況でも浮気に対して異常なまでに心配する人と、ゆったり構えられる人の違いって何?と思ったときに、それは「腹のくくり具合」でしかないように思います。
つまりどんなに長年付き合ったパートナーであれ家族であれ、所詮自分以外は「信頼」するしかないのです。
リスクを負って信頼する以外に、人とかかわることはできません。
会社ですら「来月給料が払われるはず」という信頼のもと働いているわけです。

その信頼というのはコミットメント(自分とかかわることを決意したこと)に対する信頼です。
この信頼こそが「関係」に対する原動力であるはずなのに、それを否定する行為が「浮気」です。
つまり人間の一番「裏付けのない弱いところ」を攻撃する行為が「浮気」なのではないでしょうか?
信頼という形に見えない、防御のない弱さを攻撃することに対する嫌悪感が浮気はいけないということでは?と思いました。

投稿者 なな : 2010年12月21日 17:20

ななさん

早速のコメントありがとうございます。
…なかなか、考えさせられました。

考えを整理する助けになりました。ありがとうございます。

もう少し、具体的な状況を提示して、本番の議論に臨みたいと思います。
今のところ、「正式に結婚しているが、別の女性と体の関係もある浮気をしている夫」についてどう思うか、という方向で考えています。

もちろん、その向こう側には、浮気相手になっている(多くは未婚の)女性がいるわけなのですが、話が複雑になるので、一旦脇に置いておこうと思います。

幼少期の経験などの、背景となる要因は、追々議論に追加していくとして、まずは「この行動はどう?」と問いかけていこうと思います。

また、「浮気はなぜいけないのか」や別の問いかけをいくつもしながら、「正しいこととは何か?」「道徳の最高原則は何か?」などを考えていこうと考えていますが、迷宮入りしそうな感覚も少し分かってきました。

しっかり準備して進めたいと思います。


なお、最後の部分の「信頼」についてですが、相手がどんな行動に出たとしても、それがその人のその時点のベストの行動だと信じて対応することが「信頼」だと思います。対応の中には厳しいもの、たとえば「きっぱりと別れを宣言する」なども入るわけですが、相手の存在を否定せず、ただ、このまま一緒にいてもうまく行かないので別れを選択することも「信頼」ではないかと思います。

ちなみに、相手が特定の行動をしてくれること(浮気をしない、など)を前提にして自分の行動や態度を決める場合、それは相手に「期待」していると言います。期待は依存の一形態であり、相手が特定の行動をしてくれないと、二人の関係が成り立たない、ということです。

もちろん、人間関係は相手に何かを「期待」せずには成立しないものであって、期待がいけないということではないのですが、自分が相手に依存している部分があると認識しておくことが大事だと考えています。

※一般的には「信頼」という言葉も使われますが、より厳密に、心理学的な言葉を使うと、そういうことになります。


ともあれ、準備記事にここまで色々書いて下さってありがとうございます。
とても役に立ちましたm(_^_)m

投稿者 あづま(恋愛セラピスト) : 2010年12月23日 17:37

なるほどー、信頼ではなく、「期待」なのですね。勉強になりました。
長々と書いてあるいは迷惑だったのでは?と少し怖かったのですが優しいコメントをいただいてありがたいです。

確かに少し議論の的を絞ったほうがいいかもしれないですね・・・

一夫多妻制がOKな国にすんでいたことがあるのですが、一人の夫が複数の妻を有することがどんなに社会が「OK」といおうと、第一夫人はやはり相当な嫉妬を覚えるそうです。
もっというと「浮気されたようなショック」を覚えるそうです。社会の名目は浮気ではないのに。

そう考えると、もっとプリミティブな「嫉妬」に絡む感覚なのかもしれないですね。私も覚えがありますが(不倫ではないです。)、嫉妬というのはとにかく苦しい感覚で、上手に対処できる人は珍しいと思います。 嫉妬を生み出さないための「戒め」なのかなぁと・・・・・

ところで、不倫の「誘い」は(私は女性です)受けたことあります。絶対にいやですけど。
ほぼ確実に「妻が相手してくれなくて(OR うまくいってなくて)さみしい。慰めて」か、結婚していることを隠しているか(これはサイコパスみたいなうそつきでない限りだいたいわかります)どちらかです。

慰めてという言葉にそれが既婚者でも「愛」を感じる女性がどれほど多いのでしょうか?

では彼が「本当にさみしい」のか? 答えは違うと思います。
さみしいのであれば現状を修復するべく努力するべきでは?と思うのが普通でしょう。

罪悪感と依存心の強い女性がNOと言えないことを、自分の優位性や力を証明するために利用しているのが「浮気」なのだと思います。
また女性のほうも男性の弱さを使って関係を結ぶのではないでしょうか?

こんなに弱くて力のないみっともない男性だったら(結婚しているし)私がコントロールできる・・・と?

ずれてしまってすみません。

投稿者 なな : 2010年12月23日 23:58

日向陽一さま

コメントありがとうございます。
(一時的に迷惑コメントに振り分けられていて返答が遅くなりました、すみません)

確かに、約束を守る、ということは大事ですよね。
このあたりの議論も重要になるような気がしています。

さらに突っ込むと、
「別に結婚してもしなくてもよいが、結婚という約束したのなら守るべき」と考えるのか、
そもそも「人は結婚という約束をすべき」と考えるのか、
つまり「合意」が最上のものなのか、それとも、もっと重要な原理があるのか。
どっちの考えに立つのか、ということも大事になってくると思います。

そのあたりのことも、議論していければと考えています。

考える助けになりました。
コメントありがとうございました。

投稿者 あづま : 2010年12月24日 14:20

あづまです。

本編が始まりましたので、コメントはそちらにお願いいたします。
名前のところをクリックすると本編の記事にジャンプします。

準備編にコメントして下さった皆様に、改めてお礼申し上げます。
ありがとうございました。




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