心理療法を受けて変化できる人、できない人

 

 同じ本を読んだり、同じ経験をしたり、同じセミナーを受けたり、同じ心理療法を受けても、その効果が現れる人とあまり現れない人がいます。心に抱えた重荷(トラウマ)の深さなども関係するのでしょうが、少なくとも表面的にはこう考えることができると思っています。
 
 「分かる」の4段階
 「分かる」には4段階あるのです。
 
 1段階目 知っている
 2段階目 分かっている
 3段階目 できる
 4段階目 習慣化
 
 
 たとえば「物事のよい面を見るようにしましょう」ということを例にとって説明します。
 
 ??1段階目の人は、誰かが言っているのを聞いたら「それ知ってるよ」と言えます。
 
 「物事のいい面を見ることが大事なんだって。」
 「ポジティブシンキングでしょ?知ってるよ!」
 
 ??ところが、こう聞かれると困ってしまいます。
 
 「何で物事のいい面を見るのが大事なんだろう?」
 「・・・・え、なんか良いことあるからじゃない?(苦笑)」
 
 
 ??2段階目の人は、人に教えられます。
 
 「何で物事のいい面を見るのが大事なんだろう?」
 「悪い面を見る習慣を持っていると、心が悪いことに向いているんだ。
  すると、心が向いているものを引き寄せるので、ますます悪いことを
  身の回りに引き寄せてしまう。悪いことが起こらないように、と願う
  のもダメ。結局悪いことに意識を向けているので。
  潜在意識は否定文を理解できないんだ。イメージしたものをそのまま
  引き寄せてしまう。
  だから、よい面に意識を向ける習慣を持っているとよいことを引き寄
  せるというわけなんだよ。」
 
 
 ??ところが、分かっているのと「できる」のはまた違うのです。
 
 「あいつ、待ち合わせに来ないな?遅いな?。あ、雨が降ってきた。」Aさん
 「何でこんな時に雨なんだよ?もうひどいな?折角のカッコイイ服が
  最悪だよ・・・」Bさん
 
 「あんた、良い面を見るのが大事っていったじゃないの。」Aさん
 「え、そんなこと言ったって、頭来るじゃんか!この雨!
  だいたいあいつが早く来ないのが悪いんだよ。イライライラ・・・」Bさん
 
 「お、悪い悪い。遅くなっちゃった!!」Cさん
 (険悪な雰囲気で)「やあ」Bさん
 
 ・・・このあと、あまり楽しくない集まりになったのは想像に難くありません。
 
 
 ??3段階目の人は、実践できるんです。
 
 「あいつ、待ち合わせに来ないな?遅いな?。あ、雨が降ってきた。」
 「何でこんな時に雨なんだよ?もうひどいな?折角のカッコイイ服が
  最悪だよ・・・はっイカンイカン。良い面に目を向けなきゃ!
  ・・・今日は暑かったけれど、雨が降って涼しくなるかもな?」
 
 「お、悪い悪い。遅くなっちゃった!!」
 「ちょうど汗が引いたところだよ」
 
 ・・・これなら、そのあと楽しいことがありそうですよね。
 
 
 ??4段階目の人は、習慣になっています。達人なんです。
 
 「待ち合わせに来ないな?。今の時間をどう楽しもうかな♪ そうだ!
  ○○しよう♪♪ あれ?雨が降ってきたな?。涼しくていいね?。
  そうだ!どうせ暇なんだから、あそこでお店の商品を雨にあたらない
  ようにあわてて片付けているあのひとを手伝ってみようかな♪
  お手伝いしま?す♪」
 
 「え!?ど、どうもありがとう。」
 
 「お、悪い悪い。ってお前なにやってんの?」
 「あ、待ってて暇だから、手伝ってたんよ。」
 「・・・・よくやるな。」
 
 「あの、助かりました。お礼にジュースでもどうぞ。」
 「ラッキー」
 
 私は、新しいことを学んだらメルマガに書いたりこのサイトに書いたりしています。書くと中途半端に覚えている部分がはっきりして、しっかり記憶が定着します。人に教えたり伝えたりすることで自分のレベルが「知っている」から「分かっている」に上がるわけです。さらに、できるだけすぐ実践するように心がけています。つまり「できる」レベルまで引き上げるわけです。そして、よかったことは続けて習慣にします。
 これは、結構大事なことなんです。
 
 色々なことを知っても、ちっとも人生が変わらない人と、変化できる人の違い。
 
 それは、この「分かる」のレベルの違いで説明できます。
 
 
 あなたは、「できる」「習慣化」まで持っていく努力をしていますか?