まずは、笑顔を向けることから始めよう

 

恋愛、家族、人間関係、仕事・・・
 
悩みは尽きないものです。
そして、現在の状況が、恵まれていないと感じる方もいらっしゃると思います。
たしかに、物質的に恵まれた環境で生まれてくる人もいますし、そうでない人もいます。
また、精神的に恵まれた環境で育った幸運な人もいますし、そうでない人もいます。
 
人間関係は、ギブ・アンド・テイクのところがあります。自分から相手に与えれば、返ってくることが多いものです。とは言え、もらいっぱなしの依存的な人が周りに多い場合は、与えたのに返ってこないと感じることもあるかもしれません。そんなあなたは、人間関係のデトックスが必要かもしれません。
 
まず、同じ日本に住んでいても、実はまったく異なる世界があるのだと知ってください。
 
「類は友を呼ぶ」のことわざのように、人は同じような人たちと付き合う傾向があります。ただし、全く同じタイプの人が集まるわけではなく、「心の成熟度が同じぐらいの人」が集まる傾向にあります。
物質的あるいは精神的に世話をされていないと不安で仕方ない「依存的なNタイプ」と、
他人に責められたり批判されることに耐えられず自分を殺して尽くしてしまう「自己犠牲的なSタイプ」は、
同じ世界に集まる傾向がありますが、実は心の成熟度は同じぐらいです。
 
心の成熟度を測る上で一番大事なポイントは、自己を確立しているか否かです。他人の意見に振り回されず、大事なことは自己責任、自己決定できる心の基礎体力を持っているかどうか、ということです。
 
 
人間関係に悩まされている人の話を聞いていると、周りの人が、自己を確立していない段階の人のことが多いようです。確かにこのような場合、周りの人にも問題があると感じます。
 
但し、周りの人のせいにしても有効な解決法は出てきません。
現状を変えたければ解決策は結局のところ、「別れる」か「育てる」の2種類しかありません。
 
 

自己を確立していない人たちの世界

自己を確立していない人たちは、大きく分けて2つのパターンがあり、
依存的な人(N)は相手から奪おうとします。依存的な人(N)同士ではケンカが起きます。
自己犠牲的な人(S)は、捨てられないため、あるいは「悪い人」と言われないために相手に尽くします。
自己犠牲的な人(S)同士は、あまり深い関係にはならないことが多いです。
 
依存的な人(N)と、自己犠牲的な人(S)が一緒になると「共依存」といって、一方がわがままを言うばかり、もう一方がその尻ぬぐいをしたりお世話をするばかりの関係になります。
 
このようなタイプの人たちの輪の中にいる限り、人間関係のトラブルは日常茶飯事です。
 
 

自己を確立したあとの世界

自己を確立するというのは、相手と自分の意見が違っているときに、もちろん相手の迷惑にならないような配慮は必要ですが、基本的には自分の意思を大事にして決定できるということです。
 
自分のことは自分で決めて、自分で責任を持つ。
相手のことは相手が決めて、本人が責任を持つことを前提として、余計な手出しをせず見守る。
 
まずは、この段階まで自分が成長できることが大事です。相手と自分が違っていると、距離が離れるような気がします。その時に自信のなさとか、寂しさとか不安が湧き上がってくるかもしれませんが、それに振り回されてしまうのでは、自己を確立できません。
 
タイプによって、学ぶべき点が違います。
依存的な人(N)は、相手を操作しようとしがちですので、相手の自由意思を尊重することを学ぶ必要があります。
自己犠牲的な人(S)は、相手に合わせてしまい、自分の意思を尊重できなくなりがちですので、自分のことはきちんと自分の意思で決めるようにする必要があります。
 
そうやって自己を確立する段階まで進むときに、自己を確立していない人たちとの人間関係が切れてゆくことがあります。これを私は「人間関係のデトックス」と呼んでいますが、それを怖れていては、実は前に進めません。
 
家族や親戚などの場合、簡単に絶縁することはできないでしょうが、それでも、そのような人たちと過ごす時間をどのくらいとるのかは、選ぶことができます。距離をとることはできます。
 
 

自己を確立した上で、さらに成長した世界

自己を確立するということは、自分と相手が別個の人間だということを受け入れることでもあります。当然、合わないところも出てくるでしょうし、距離をとらざるを得ない場面も増えるでしょう。
 
それを乗り越えた上で、「育てる」というステージに進むのであれば、自己を確立していない人とも再びつながることができます。
 
「育てる」というのは、依存的な人や自己犠牲的な人が成長することを見守りながら関わることです。縁を切るのではなく、相手の表面的な要求を全部満たしてあげようとする(=依存させる)のでもなく、相手の成長を願い、時に厳しく、時に温かく見守り、
 
相手が自己を確立するお手伝いをする、相手の成長のお手伝いをする、ということです。
 
結局のところ、自己を確立して、他人に振り回されない自分を手に入れた方が、今依存的なその人も、生きるのが楽になるはずなのです。将来の幸せと成長を見据えて「こっちに来た方が絶対楽だよ!」「今いる依存的な世界を抜け出そうよ」というメッセージを伝えてあげられるのがこの「育てる」段階です。
 
まずあなたがここまで成長する必要があります。
自分が乗り越えてきた道、進んできた道だからこそ、他人にアドバイスをすることもできるのです。
 
ここまで成長したあなたは、
相手を見ていて自分がイライラするから説教したくなるのではなく、
相手の幸せを願うからメッセージを伝えたいと思うようになっているはずです。
 
 

では、まずどこから始めればよいのか

 
私は、「心の成長した人たちの輪に入れる自分になろうと決意する」ことが一番はじめだと思います。自己を確立していない人たちの中にいる限り、トラブルも多いし、成長するのも難しいからです。再度「育てる」ステージに進んでからまた関われることを信じて、一旦は距離をとることをオススメします。
 
その時に、何をしたら、心の成長した人たちの輪に入れるのでしょうか。
奪い合いをしている、自己を確立していない人の世界から抜け出すと、健全なギブ・アンド・テイクの世界が待っています。それを先取りして、まず、もらうばかりでなく「与える」ことができるようになりましょう。
 
生活も苦しかったり、仕事もいっぱいいっぱいだったり、そんな中で「与える」と言われても難しいと感じるかもしれませんが、瀬戸内寂聴さんがよく言われるように「和顔施(わがんせ、わげんせ)」から始めてみてください。
 
まずは、人とにこやかに接すること。
これが大事です。
 
私は、長いこと人間関係がうまく行かないことに悩んでいました。
昔から友だちもあまり多い方ではありませんでしたし。
あるとき、本を読んでいて気づいたのが、他人にどんな感情を向けているのかが人間関係を決める、ということ。それまでの私は、他人によい感情を向けていなかったし、よい感情を相手に向けることに価値なんてないと思いこんでいました。
 
だからギブ・アンド・テイクの「ギブ」は常に、何か立派なこと、大変なことをしなくてはいけないと思っていて、自分を縛ってしまっていたのです。豊かな世界では、「よい感情」もギブ・アンド・テイクする対象になると知ってから、自分の行動が大きく変わりました。
 
笑顔や明るい声、ほめ言葉、大きめの身振りなど、相手によい印象を与えるコミュニケーションを心がけるようになりましたし、そのことで人間関係が一気によくなっていきました。
 
まずは、笑顔を向けようと努力してみてください。
そして、笑顔を向けるのがすごく難しいと思う自分を発見したら、無理をせず、何か心に抱えた重荷があるかもしれないわけですから、カウンセリングや心理療法を受けるなど、心の課題を解決するきっかけにしてみて下さい。笑顔を出すと心が苦しい→だから笑顔を出さない、という選択をしたら、何も解決しないのですから。
 
そして、人間関係のデトックスが起きることを、受け入れてください。
一度は腐れ縁が切れないと(少なくとも距離が取れないと)、成長のための心のゆとりが作れないものです。育てるステージまで成長したときに、心のゆとりができて、再度関われるようになっていきますから、それまで待ってもらってください。お互いのためです。
 
なお、このプロセスが実行できないほどせっぱ詰まっている身内の人がいる場合は、どうか、ひとりで解決しようとせず、警察でも市町村の役所の相談コーナーでも、「使えるものは何でも使って」その緊急事態を抜け出すことを考えてください。体面を保つことよりも!
 
 
最後に、この記事を読んで、誰か特定の人を「育てるにはどうしたらいいですか?」と質問したくなった方へ。まずはあなた自身が成長し、自分が成長するにはどういうことが必要だったかを実体験を元に体得することが大事です。その時には、人に質問しなくても何をしたらいいかが見えていると思います。
まずは、自分なのです。
 

Nタイプ:Neediness(依存心)の頭文字。依存的で自分の欲求を他人に満たしてもらおうという衝動が強いタイプの人のこと。ちょうだい、ちょうだいの人。
※Sタイプ:Sacrifice(犠牲)の頭文字。自己犠牲的で、自分の欲求や感情を飲み込みがちで、相手に合わせてしまうタイプの人のこと。他人からは「いい人」と言われるが、自分を大切にできていないので、限界を迎えると爆発したり、うつになったりしてしまう。
N:肉食、S:草食、と考えてもそれほど間違いではない。
NとSが磁石のように恋愛関係に落ちると、共依存という泥沼の関係になることが多い。
なお、NとSはあづまの用語なので、他の場所では通用しないので注意。


 

「まずは、笑顔を向けることから始めよう」への3件のフィードバック

  1. 彼は、他人が自分をきめると断言します。
    彼に私の声が届く事が、今の私の使命だと思っています。
    彼は、すばらしい人なのに気付けなくなっているようです。
    私も、私の好きな事がわからなくなってしまいました。
    私は、いつも不安と戦っていた事を、彼と出会って痛烈に思い出してしまいました。
    今、少しずつですが、不安と向き合う事をしています。ですが、上手に笑えなくなっています。ですが、今日、やっと自然と笑顔ができました。
    二人で一緒にいる方法は、「自分を育てる」ことだと、近い未来を楽しみに、今は、トレーニング中です。

  2. 匿名の方へ
     
    コメントありがとうございます。
    そうですか、今どのような状況なのか、詳しくは分かりませんが、とにかく、自分を育てることにとり組まれているのですね。頑張ってくださいね。応援しています。

  3. 半年前、夫の不倫を偶然、知ってしまってから、もがき苦しみましたが、あづまさんの、メルマガに出会い、すこしずつ自分の心をコントロールできるように成りました。
     
    私はNタイプで夫はSタイプです。夫は共依存から逃れるため、不倫相手が必要だったような気がします。満たされない気持ちを彼女に癒されないと、結婚生活を続けられなかったのかもしれません。私と彼女の間でバランスを取りながら、今では、どっちとも上手に付き合い充実した日々なのです。「お互い、夫婦仲良く、Yちゃんとの関係をずっと続けて行ければと思っています」この手紙(夫が彼女に書いた物の下書きです)を見なければ、たぶん夫が死ぬまで知らずにいたでしょう。
     
    彼女の事を問いただせなくて、不安定になり他の事で攻めたり、急に不機嫌になったり
    しましたが、今は、夫を上手く立てて、頼って、笑顔で過ごせるようになりました。
    あづまさんのおっしゃる男の心理は絶大です。私がそうする事で、夫も家事を頑張ってくれ、一緒に過ごす時間が増えて、何よりも楽しいのです。そろそろ、知っている事を話す、期は熟したかなとも思います。だけど、彼女と別れて欲しいと言ったところで15年も続けた関係を、今でも大好きで可愛くて心配なYちゃんを切れるものとも思えないし。
     
     
    言えるのは、今の楽しい仲の良い関係では居られなくなるのは確かです。
    離婚を覚悟で彼女と別れて欲しいなどと言ったら、最悪、夫は心のバランスをくずして、何も出来なくなるかもしれません。たぶん、どっちも必要なんだと思う。
    または、私の気持ちが安定している事で、「家の事もしているし、おまえにも良くしている。このままで何で悪い」などと開き直るか。むしろ、私がボロボロになった方が罪悪感の強い夫は帰ってくるものか。
    どちらにしても、その後がさらに試練ですよね。
    そんな事を考えて今悩んでいます。
     
    頼まれると断れない、気の優しい、おとなしい努力家で、意思が強いタイプの夫の場合
    どう出るものでしょうか。
    本当はあづまさんのカウンセリングを受ければいいんでしょうが、遠いもので難しいです。

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