家族彫刻 【かぞくちょうこく】

 

家族彫刻 【かぞくちょうこく】 (family sculpture)
 
家族彫刻とは、主に子供の頃の家族関係を図にしたものです。
家族彫刻。四角を書き、その中に家族メンバーを丸で書き、心の向きを矢印で示す。この図では左側に私。私の上に姉。右の方に母。母の上に父。
 
家族の中で、自分がどんな位置にいたのか、家族の中でどんな心理的関係にあったのか。それによって、自分の中に様々な「禁止令」が作られて、「頭では分かっていてもできないこと」が生まれます。大人になって、合理的に考えたらおかしいけれど、なぜかうまく行動できないことは、大抵子供時代に作られた心のクセが原因です。
 
この家族彫刻のワークは、当時の家族関係を描くことによって、当時自分が心の奥底に封印した感情に気づき、自分が心の中で禁止したことにも気づくことができます。
たとえば、両親が忙しくていつも一人だった場合:家族彫刻では両親が家の外に描かれたり、中にいてもこちらを向いていないことが多いです。すると、「私は『寂しい』と表現してはいけない」というような禁止(自分ルール)を心の中に作ってしまいがちです。
 
恋愛セラピストあづまは、2009年7月頃から、このワークをセラピーに取り入れていますが、過去の家族関係に起因する心のクセを明らかにし、本人がハッキリと自覚する目的で、極めて高い効果を発揮しています。過去に起きた辛い出来事を思い出してもらう方法よりも、とり組みやすく、効果が高いです。
 
上記のような、図解式の家族彫刻は、池田登氏の「脳が作り出した人生のストーリー」(自費出版)の中に記載がありました。
また、本当のオリジナルは、家族療法のバージニア・サティアが開拓した family sculpture (=家族彫刻)という、人間を実際に配置する形での心理セラピーの技法だと思います。筆者は浅学にして確定的なことを言えませんが。
 
なお、「彫刻」という言葉と紙に家族を描いてゆく方法とは結びつきにくいですが、「家族彫刻」の語源はおそらく、心理療法やサイコドラマ系演劇などの一手法から来ているのではないかと思います。たとえば「動く彫刻」と呼ばれる手法で、人が物語を演じるのではなく、印象的なワンシーンを静止画のように演じる手法があります。私見ですが、おそらく、このような方法からつけられた名前でしょう。