【ココヘル304】健全な自立、痛みを伴った自立

 

◆女と男の「心のヘルス」?癒しの心理学 304号 2008.7.1
 
 
 あづまです。こんにちは。
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 ★このメルマガは、心理に関する内容を扱っているため、感情的
  ストレスを感じることがあります。ご自分の感情にはご自分で
  責任をもつ姿勢でご利用いただきますようお願い申し上げます。
 
 
 今日は「健全な自立、痛みを伴った自立」です。
 
 
 あなたは、「自立」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?
 
 大人?
 仕事をしていること?
 
 ひょっとして、冷たい感じ?
 
 依存の反対。
 
 
 そうですね。
 色々ありますね。
 
 
◆ 物質的な自立・感情面の自立
 
 色々な相談を受けていると、一番気づきにくいのが、
 経済的・物質的には自立していても、感情面で自立できていない
 ことではないかと感じています。
 
 
 経済的・物質的な依存は分かりやすいですね。
 生活していけるか、いけないか、ということです。
 夫婦で、相手がいなくなったら生きていけないとしたら、依存し
 ているわけです。困る度合いが依存の度合いです。
 
 この場合、心理の前に、生きるためのスキルを身につける必要が
 あります。ちゃんとお金を稼ぎ、家事をして、生活を成り立たせ
 るということです。
 
 今日は、物質的には自立していることを前提にお話を進めて行き
 ます。
 
 実は、物質的に自立していても、感情面では必ずしも自立してい
 るとは限らないのです。感情面の依存は、自分でも気づきにくい
 ものです。
 
 
◆ 感情面の依存とは?
 
 ここで「ペルソナ」という考え方をご紹介します。
 
 ペルソナとは、社会に適応するため、周りの人に合わせるために
 自分で作り上げた「表向きの自分」のことです。ユングが名付け
 ました。語源は舞台で使う「仮面」です。
 
 要するに、仮面の自分、かりそめの自分を作って、それで生きる
 わけです。
 
 ペルソナがうまく作れない人は、自分の欲求丸出しになってしま
 い、それでは社会生活を送ることができません。
 
 だから、ペルソナには意味があるのです。
 
 
 但し、ペルソナを作ったらそれで終わりかというと、そうではあ
 りません。依存したい気持ちがなくなるわけではないのです。
 
 「何でも自分でやるのではなく、誰かに世話をしてほしい」
 
 「思った通りに、誰かが願いを叶えてくれたらなぁ」
 
 「甘えたい。わがままを言いたい!」
 
 などなど。
 大人になり、生活のためのスキルを身につけ、自分で生きていけ
 るようになったら、依存願望が消えるかというと、消えません。
 
 
 但し、どのようにして自立に向かったかで、
 隠れた依存願望の強さに差が出ます。
 
 
◆ 健全な自立をした人の場合
 
 子供時代に十分に依存できて、依存願望が満たされて自立に向かっ
 た人は、健全な自立を果たしています。
 
 自分の中の依存願望を嫌うこともなく、自立に向かえています。
 
 「自分のことは自分でやる。でも、大変なときは助けを求める」
 
 こんな感じです。上手に切り替えられるんですね。
 
 
 子供は甘えさせるとわがままになるから、厳しく育てるべきだと
 いう考えが未だに根強いですが、これは、違います。
 
 甘えるべき時に、十分に甘えて、「自分はここにいていいんだ」
 という「自己肯定感」を心の中に育てられた子は、むしろ自然に
 自立できるんです。
 
 これが足りないと、どこか自信がない感じが大人になってもずっ
 と続いてしまい、生き辛さを抱えたままになります。
 
 甘えさせるのと、甘やかすの違いを念のため説明しておきます。
 
 どちらも子供を依存させることですが、
 大事なポイントは「子供のペースになっているか」ということ。
 
 子供がまだ依存したい気持ちの時に、無理やり自立させようとす
 れば、自己肯定感が足りない大人になってしまいますし、
 
 子供が自分で色々やりたがっているのに、親が世話をしたい
 (=役に立つことで自分の存在価値を感じたい=実は親自身の自
 己肯定感が足りない)ために、世話を焼いてしまって、子供の自
 立を妨げるとしたら、これは「悪い甘やかし方」です。
 
 子供をよく見ていると「甘え(依存)」と「反抗(自立)」が
 交互にやってきます。この、子供のペースによくつき合うことが
 大事なんです。
 
 
◆ 自立したくないのに、無理やり自立した人の場合
 
 子供時代に、周りに頼りたかった。心の中に満たされない部分が
 いっぱいある。でも、周りの大人は大変そうで(あるいは厳しく
 て)頼ったり甘えたりできる雰囲気じゃない。
 
 頼りたいという「期待」を常に裏切られ、傷つくのは辛いですか
 ら、すると、子供は心の中にある「頼りたい気持ち、依存心」を
 心の奥底に封じ込めて無理やり自立します。
 
 その場合、「頼ることは(誰にとっても)いけないことなんだ」
 と、自分を説得することが多いんです。自分だけが不幸なのじゃ
 なくて、みんなそうなんだよね、と自分を慰めるのです。
 
 すると、「他人を頼ることは(誰にとっても)いけないこと」と
 いう自分ルールを強く持った状態で、大人になります。
 
 
 今日は「自立」をテーマにお話をしているので、自立しますと言
 い切っていますが、このとき、自立に向かわず、依存心をむき出
 しにして、さらに傷つきながら生きていく道を選ぶ人もいます。
 
 
◆ 自覚症状が分かりにくいのです。
 
 でも、ここまでお読みになって、
 
 「私の自立はどっちなのだろう?」
 
 そう思われたかもしれません。
 
 無理やり自立した場合でも、頼りたい気持ちを意識的に封じ込め
 るわけではなく、生活の中でそれが当たり前になってしまって、
 自分では気づかないのです。
 
 「私は、後者です」そう言える方は、自分で心を探ることが上手
 だったり、心理学を学びながら癒しが進んでいる方です。
 
 ふつうは、なかなか気づかないのです。
 
 そこで、実は自分の中に、無意識に封じ込めた部分があるかどう
 かを知る効果的な方法をお伝えします。
 
 
 
◆ シャドウ
 
 先ほど「ペルソナ」という、他者に合わせて作った自分の表の顔
 のことをご説明しました。
 
 表の顔があるということは、見せていない本当の顔があるわけで
 す。但し、自分でも「ないと思っている」「ないと感じている」
 ので、自覚していない場合が多いのです。影の存在です。
 
 
 それを、「シャドウ」と呼びます。
 
 
 頼りたい気持ちがあるのに、抑え込んで、自立した場合、そこに
 「痛み」があります。
 
 この痛みは、他人を見ているときに、一番はっきり気づきます。
 
 
 子供時代に、親に十分甘えられなかった。満たされていない。
 でも、仕方ないから自立した。こういう人の場合、
 
 十分に愛情を注いでもらった人を見ているとイライラしてくる。
 
 あるいは、
 依存的な人を見ているとイライラしてくる。
 
 もしくは、父親に対する失望が強い場合は、
 男に媚びているように見える女性に対して、イライラする。
 
 ↑
 これらは実は、過去の「痛み」が出てきているのです。
 
 
 
 自我は大抵ペルソナに肩入れしていて、正当化する考えで痛みを
 感じないようにフタを作っていることが多いです。
 
 このケースであれば、
 「自立して生きることが立派なこと」
 「人に頼ってはいけない。私は頼らずに生きてきた。
  だから私は正しい。」
 
 というような考えを持つことで、
 「子供時代に親に頼れなくて、本当に辛く、苦しかった。」
 「今でも本当は、頼りたい気持ちが暴れる。苦しい。」
 
 というシャドウが表に出ないように抑え込んでいるのです。
 
 
 そうすると、イライラする人を見たときに、自分の心の痛みだと
 はなかなか気づけなくて、
 
 「あの人は、甘やかされて育った、ダメな人間
  (だから私は、見ていてイライラして当然だ)」
 
 「あの人は、すぐ人に頼る。自分のことも自分でできないの?
  (だから私は、見ていてイライラして当然だ)」
 
 というふうに思えるものなのです。
 
 
◆ イライラの本当の原因は・・・
 
 このように、あなたに実害を及ぼすわけではない他人の言動を見
 ていてイライラする場合は、シャドウの存在をまず考えてみるこ
 とが大事です。
 
 なぜなら、そのイライラは、
 
 ペルソナ側についているあなたの自我が、
 心の奥底に封じ込めたシャドウを攻撃している
 
 ために起きているからです。
 
 
 言い換えると、自分の心の中で、
 ペルソナ対シャドウという闘いが起きているのです。
 
 
 健全な自立を果たした人は、自分が自立的に生きることを選んで
 いても依存することを否定はしません。依存的な心を攻撃したり
 はしないのです。
 
 だから、依存的な人を見ていても、イライラしたりはしません。
 
 自分の信念と正反対の人を見ても、それを受け入れられるのが、
 成熟した自我の感覚です。
 
 心の中にペルソナ対シャドウという闘いがある場合は、自分と
 違う考えの人を見るとイライラしたり、不安になったりするはず
 です。
 
 そうやって、自分の心の中に気づくことができるのです。
 面白いですね!
 
 
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◆ 今日のまとめ
 
 自立的に生きている人には、
 依存願望が満たされて健全に自立した人と、
 依存願望を無理やり切り離して痛みを伴う自立をした人がいる。
 
 後者の場合、他人を見ているとその痛みがよみがえることがある。
 多くの場合、特定のタイプの人に「イライラ」する形で現れる。
 
 それによって、
 他者に合わせて作り上げた表向きの自分すなわち「ペルソナ」と
 ペルソナから嫌われて心の奥底に抑え込まれた「シャドウ」との、
 
 心の中の闘いに気づくことができる。
 
 
 次回は、ではシャドウの存在に気づいたらどうしたらよいか、
 というお話と、
 
 「私はイライラしないけれど、周りの人が私を攻撃してくる」
 という自覚症状を持っている方のパターンについてお伝えします。
 
 衝撃の(=認めたくない)真実を明らかにします。
 
 次回も、お楽しみに。
 
 
 
 
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 もちろん、メンタルな部分についてです。
 
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◆編集後記
 
 昨日は知花の一歳の誕生日記念(少し過ぎましたが)に、
 スタジオアリスに行って写真を撮ってきました。
 
 前回初節句の時は、泣くばかりで、なんとか真顔が精一杯だった
 のに、今回は生え始めの歯を見せた、いい笑顔の写真が何枚も撮
 れました。
 
 夜は、得意のカレーを作りました。というか、朝から仕込んだの
 ですが。サフランライスを初めて作りました。
 サフランって、香辛料の中ではダントツに高い感じがしますよね?
 カスみたいな赤いひげ(失礼)がちょっと入って、
 はい、1000円みたいな感じですからね。
 あれって、めしべなんですね。初めて知りました。
 
 おいしく頂きました。
 
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 応援ありがとう!まぐまぐ殿堂入り! 祝!23000部
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