【ココヘル408】怒り・イライラばかり出てしまうのはなぜ?(ツイテル29)

 

◆女と男の「心のヘルス」?癒しの心理学 408号 2009.10.3
 
 あづまです。こんにちは。
いつも読んでくださってありがとうございます。
 
 前回、ニセモノの感情のお話を書きました。
その中で、怒ることができない人は、自分の怒りを感じられるよ
うになる必要がある、という話を書きました。
では逆に、怒りばかり出てきて、人間関係を壊してしまう人は、
どうしたらよいのでしょうか。
今日はそれを考えていきます。
 
◆ 怒り・イライラが前面に出てしまう人
 
 怒り・イライラが前面に出てしまう人の場合、
寂しさを抑え込んでいることが多いです。
 
 最近では、共働き家庭の支援目的で保育園や託児所が整備されて
きていますが、昔は子供が一人で家にいるという孤独な生育環境
も珍しくありませんでした。
また、子供は些細なことで心に負担を負ってしまうものですから、
親のお迎えが遅くて自分だけいつも保育園で最後の一人になって
いて、その寂しさが深く心に残っているということもあるのです。
 寂しい環境で育って、その寂しさを表現したり、ときにはしっか
りあまえたりすることが叶わなかったことで、寂しい気持ちを抑
え込む心のクセがつきます。
すると、いつしか寂しさの感度が鈍くなり、代わりにいつもイラ
イラしたり怒ったりするようになった、ということは、決して珍
しいことではありません。
 
◆ 寂しさがすでに分からなくなっている
 
 セラピーの場で、感情の話をしてみたところ、
「私は寂しさを我慢しているのではなくて、寂しさが感じられず、
感じるときには既にイライラになっている」
という訴えをされた方がいらっしゃいました。
子供時代の経験をさぐってみたら、共働きの両親はいつも仕事で
外に出てしまっていて、家で孤独に過ごすことが日常化していた
(と、本人は記憶していた)ということがありました。
 
 
◆ 悲しみを未だ抱えていて、フタをしている
 
 また、子供時代や、若い頃に大切な人を失う体験をしている場合、
その悲しみがまだしっかり癒されていない場合があります。
しっかり悲しみ、心の中でお別れをすることで初めて、本当にそ
の喪失体験を手放し、前に進むことができます。
 
 怒りばかり出てくる場合、過去の喪失体験を、二度と経験したく
ない、絶対そんなことは起こってほしくない、という気持ちが隠
れていることがあります。その場合、過去の経験をしっかり悲し
み、心の中でお別れをすることが必要です。
 
 
◇ 喪失体験1 同居の家族との別れ
 
 喪失体験でもっとも典型的なのは、子供時代に同居の家族を亡く
したという場合です。兄弟姉妹の場合もありますし、親が亡くなっ
てしまったというケースもあります。
 
 親の離婚も、大きな喪失体験です。離婚後、十分に悲しみを吐き
出すことができれば癒されるのですが、離婚の前後は親も余裕が
ないことが多いですから、誰にも受け止めてもらえず、そのまま
感情にフタをしてしまうこともあるでしょう。
 
 少し分かりにくいケースとしては、おばあちゃん子だった場合、
というものもあります。子供にとっては、一番身近で、一番気持
ちを受け止めてもらえる存在が、心の中での母親です。
実際の母親が非常に忙しくて、祖母が母親代わりをしている場合、
比較的若いうち、二〇代ぐらいでその祖母が亡くなってしまうこ
とがあります。周りは「大往生だね」と余裕を持って構えている
かもしれませんが、本人にとっては、親が亡くなったような感覚
なのです。
 
 
◇ 喪失体験2 ペットロス
 
 喪失の対象はペットの場合もあります。同居の祖父母や、親が亡
くなった場合の辛さは一般に理解されていますので、しっかり悲
しむこと、そしてその悲しみを周りに受け止めてもらうことが比
較的容易です。
それに対して、ペットロスの場合、本人も周りも「そんなことで
いつまでも悩んでいないで忘れよう」と、心の負担を軽く見る傾
向があるのではないでしょうか。
 
 私が相談を受けたケースでは親が勝手にペットを処分してしまっ
たケースや、ペットが死んだときに「あんたがちゃんと世話をし
ないからだ」と親に責められたケースなどが、心の傷になって残っ
ていることがありました。
たかがペットと言わず、心から大切にしていた「家族」を失った
痛みですから、しっかり癒す必要があります。
 
 
◇ 喪失体験3 幸せな子ども時代を失った、という喪失
 
 喪失の対象は、具体的に誰かと別れたことばかりではありません。
子供として本来必要だった、幸せな体験の喪失もあります。
学校で傷ついて帰ってきても、親が気持ちを受け止めてくれた。
これは、親からの「包む」愛情です。
自分の良いところを親が見つけてほめてくれた。
生きる上で困る習慣を、親が叱って修正してくれた。
 
 子供時代に必要な愛情は、「包む」「ほめる」「叱る」です。
 そして、第二反抗期と言われる高校生ぐらい以降からは、
「見守る」という愛情が必要になります。
あったものを失った喪失は気づきやすいのですが、これらの、
愛情を受けたかったのに、受けられなかったという喪失は、
始めからなかったものなので、自分では気づきにくいものです。
 
 
◆ 怒りを感じやすい人→怒りの下の感情に目を向ける
  怒りを感じにくい人→怒りにちゃんと目を向ける
 
 直感的には、「怒っている人は怒りを吐きだす必要がある」
「怒っていない人は怒りを吐き出す必要がない」そう思いがちで
すが、ここで私が、直感的に感じることとは逆のことを提案して
いることに気づかれたでしょうか?
 
 怒りが出てこない人(怒りを抑圧してしまった人)は、怒りを吐
き出すことが必要。これは前回書きました。
怒りやイライラばかり出てくる人は逆に、怒りではなく、その下
にある寂しさなどの感情に目を向けることが必要、ということな
のです。
 
 感じられないものを理解するのは非常に難しいことですが、粘り
強く自分の気持ちを感じることにとり組んでゆけば、次第に感じ
られるようになってきます。
期間を短縮したい方はセラピストを頼ってみるのもよいと思います。
 
 
 次回も、ツイテナイ人生を変えるためのヒントをお送りします!
 お楽しみに。
 
 
◆ 今回のまとめ
 
怒りばかり出てきてしまう人の対処法をお伝えしました。
 怒り・イライラが全面に出てしまう人は、
寂しさを抱えている場合が多い。
 
 また、
 ・寂しさがすでに分からなくなっている
 ・悲しみを未だ抱えていて、フタをしている
場合もある。悲しみ(喪失)の種類としては、
  ・喪失体験1 同居の家族との別れ
  ・喪失体験2 ペットロス
  ・喪失体験3 幸せな子ども時代を失った、という喪失
  などがある。
 
 そして、直感に反していますが、
 ・怒りを感じやすい人→怒りの下の感情に目を向ける
 ・怒りを感じにくい人→怒りにちゃんと目を向ける
 という取り組みが大切。
 
 怒りという感情は、エネルギーが大きいだけに、
対処が難しく、かつ色々な問題を引き起こしやすいです。
上手につき合っていけるようになるといいですね。
次回もお楽しみに!
 
 
◆編集後記
 
 今日はセラピーで東京に来ています。
昨日、HANWAYの傘が届きました。六本木ヒルズで作ったんです。
 手作りなので、結構時間がかかりましたね。
早速雨なので、持って出ました。
軽くて使いやすく、オシャレですね。
昔、ゴーマニズム宣言というマンガの中でこんな話を読みました。
 大学の卒業式に父親がスーツを作ってくれようとしていた。
どうせ着ていかないからいいと断ったら、
着て行かなくてもいい。持っていて着ないのと、持っていないの
では心の持ちようが違う。そう言って、スーツを作ってくれた。
という話。
自分の持ち物も、本当のお気に入りを持っているのと、いつもお
気に入りは買わずに何か妥協している気持ちでいるのとでは、心
のゆとりが違うと思います。
何でもかんでも高い物を買えばいいというわけではありませんが、
こだわりの品を持っていることは、心の余裕につながると思いま
す。ふと、そんな話を思い出しました。
 
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 ◆制作:阿妻靖史(あづま やすし 恋愛セラピスト)
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