苦言を言うときは、相手のペースに合わせた提案をする

 

色々な人と付き合っていると、その行動間違っているよ、と感じることは結構あると思うのです。
 
私の場合は、恋愛相談を受けていますから、
 
・既婚者と恋愛(不倫)している
・自分は結婚しているが、別の人と浮気してしまう癖がある
 
などの相談は、よくあります。
 
 

言ってはいけない、現状容認の言葉。

 
こういうときに、ぜったいに言ってはいけない言葉はもちろん、
 
「自分のしたいようにすることが一番」
みたいな、現状の行動をすべて容認してしまう言葉です。
 
これは、甘やかしであって、一見聞こえのいい言葉ではありますが、
相手と真剣に関わることを避けているのです。
 
 
やはり、その行動を改めなければいけないという、方向を示す必要があります。
 
 
…しかし、ここまで書いたことを大前提として、ですが、
 
 
「その相手とは別れた方がいいよ」
「その関係は清算した方がいいよ」
 
こんな言葉が、相手の心に響くことは、まずないと言っていいです。
反発を食らうことすらあります。
 
 
私など、
「まあ、その人との関係は、とりあえず保留で。」
なんて言うことが非常に多いです。
 
 

なぜ、反発を食らうのか?

 
なぜ反発を食らうのか分からないようでは、
アドバイスをする人間としての見識が足りないと反省すべきです。
 
ひとことで言えば、相手の背景を理解していない、ということに尽きます。
 
アドバイスをするときのコツですが、
・一言目に言いたくなる内容をまず考えます。
・それに対して、分かってるけど出来ないのよ、と言われたと想像します。
・それに対してさらに、有効なアドバイスを考えます。
 
というのは、
たとえば、不倫している人なんて、
自分でも何度も「やめた方がいい」って自分に言っているはずですし、
友達に相談すれば「やめた方がいいよ」って言われているんですね。
 
それでも、別れたら奈落の底に落ちるような感覚があって別れられないとか、なにか、本人には簡単に解決できない理由があって、今の状態を続けているわけです。
 
同じ環境に置かれたときの、感情の感じ方は、人それぞれ相当違います。
あなたの感じ方と、その相手の感じ方は、10倍ぐらい違うかもしれないのです。決して誇張ではなく。
 
 
そういうことを前提として、そのひとは今、なんとか自分を保とうとして、今の状態に留まっているかもしれない、それを前提としないと、有効なアドバイスにはなりません。
 
不倫の例で言うと、
 
「その相手とは別れた方がいいよ」
「分かってるけど、別れられないんだ…」
という受け答えがあったと仮定して、そこから先、何を言うかが問われるわけです。
 
 
私の場合、実際に専門家として相談を受けている状態ですから、
・別れたとしたらどんな気持ちになりそうなのか
・その相手といることで、どんなメリットを得ているのか
・その(ひどい)相手からでも、そのメリットを欲しいと渇望してしまうのはなぜか
※「メリット」とは例えば「中絶経験のある私のことも否定せず受け入れてくれる」
などの、本人にとって極めて重要な心理学的メリットのことが多いです。
 
そういうことを訊いていきます。
 
 
そして、相手との関係については、
「とりあえず、いまはその人が支えになっているわけだから、保留にしましょう。
 ただ、保留にしただけで3ヶ月たったら、また同じ問題に直面するわけだから、
 保留にしつつ、内面の問題に取り組んでいきましょう。」
 
というような言い方で、「当面保留」という提案をします。
 
 
私の方針ですが、
・いつかは解決する、という意志を持つよう促す
・いきなり「別れる」という荒療治はしない
・内面の問題を解決するための有効な提案をする
・本人が自分で取り組める範囲で、アドバイスをする。
 
 
よくあるのは、
・幼少期の寂しさを掘り起こすワークを行い、それをある程度癒す
・彼との関係以外の人間関係を整えるよう、行動課題を出す
・自分に自信をつけられるような、セルフセラピーのワークを出す
・どんな結婚生活がしたいのか、希望のある未来のイメージを持ってもらう
といったやり方です。
 
 
相手の背景や、現在の心の状態を思いやり、
今の相手に無理なくできるレベルで提案することが、
極めて重要なのです。
 
 
他人に苦言を言うときは、相手のペースに合わせた提案をする。
大事なことです。


 

「苦言を言うときは、相手のペースに合わせた提案をする」への3件のフィードバック

  1. こんにちは。
    いつも参考にさせていただいています。
     
    さて、質問です。
    相手が付き合っている男性の場合
    特に気をつけなければいけない点は なんでしょうか?
     
    今、そういったことに直面しています。
    (彼がやらなければならない仕事上のことを
    期限を過ぎてもやっていません。)
     
     
    第一段階
    話の流れで 尋ね
    彼がそのことに取り組むつもりでいることを確認し
    その気持ちに「そうね、やらないとあなたが気持ちが悪いものね」と
    承認したところで
    止まっています。
     
    第二段階
    このまま様子を見るか こちらからまた働き掛けるか
    どうするべきか 考えています。

  2. ちいさん
     
    コメントありがとうございます。
     
    ずばり言いますが、かれはあなたが彼女であることから、強くは出てこないだろうと甘く見ているんじゃないですか?
     
    仕事と恋愛という、二重関係になっているわけですね?
    これはもう、その時点で、かなり難しい関係になっていると認識しなければなりません。
     
    【二重関係=基本的に難しい】
     
    私なら、恋愛関係の方を大事にしたいなら、仕事の方は、彼がサボっても自分に影響がないような態勢にすることを考えます。仕事の責任範囲の線引きをきちっとするとか。
     
    そうやって、
    「あなたが納期を延ばすのはあなたの勝手だし、私は困らないけど、大丈夫なの?」
     
    というロジックで(実際にいうときにはもう少し丁寧にいうべきですが)、彼に言えるようにします。
     
     
    なんというか、仕事も恋愛もぐちゃっと癒着している感じがありますよね?
    そこが一番の問題なんじゃないかと。
     
    根本的な話なので、すぐにほぐせないかもしれませんが、私なら半年かけてでも、二重関係を解消するように努力します。
     
     
    視点が高いほど、
    勇気を出して根本的な取り組みができるほど、
    問題解決能力は高くなるものなのです。
     
     
    一皮むける必要があるときかもしれませんよ。
    がんばってくださいね。

  3. あづま先生、ご回答ありがとうございました。
    気づくのが遅くなり、お礼が遅くなって申し訳ありません。
     
    私の伝え方が悪かったのですが
    仕事と恋愛の二重関係になってるわけではないんです。
    彼の仕事と私の仕事は全く関係ありません。
     
    そういうわけで
    ここに書きこんでしばらくしてから
    余計なおせっかいだなと気づいて
    口を出すのも 心配するのも やめました^^
     
    結果、どうなったのか聞いてはいませんが 
    最近、仕事が楽しくて仕方ないような彼の様子を見ると
    大丈夫だったようです。
     
    こんなふうに心配してしまったのも
    私自身が将来、彼と付き合っていく中で
    イヤな思いをするかもしれないのがイヤだという
    身勝手な気持ちが大きかったのではないかと反省してます。
     
    先生がいつも仰っているように
    「彼はクールな出来るオトコ」と信じることが 大切ですね
     
    「苦言を言う」という記事内容からは外れてしまいましたが
    いつもこちらで学んだり気づきを戴いたりしている結果を
    自分でも確認することが出来る出来事でした。
    ありがとうございました。

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