最近の物理学で気になっていること。

 

私は基本的に恋愛セラピストとして、心理・感情・人間関係などのことを考える日々を送っていますが、
 
元々理系なので、物理学や医学・生理学関係のニュースは結構興味があったりします。
 
 
今後の物理学がどう進展していくのか、気になるニュースが二つ。
 
 

ニュートリノは光より速い!?

 
先日一般の新聞も賑わわせたニュースですが、ニュートリノの速度が、どうやら光より速いらしいという衝撃的なデータが出てしまいました。
 
アインシュタインの特殊相対性理論によれば、物体は、光速以上にはなり得ないはずなんです。ちょうど、時間軸を旅する速度と空間を旅する速度を合わせて光速になるような計算になっていて、
 
動いていない物体は、時間軸上を光速で移動しているとも考えられるんですね。別の言い方をすると、時間というのは光の速度で進んでいくものなんですね。まさに光陰矢のごとし、です。
 
空間を移動する速度が光速に近づくにつれて、時間軸を進む速度が遅くなる(=時間の進みが遅くなる)という現象が起こるんですね。
 
しかしこの理論では、光速以上の速度を持つ物体は存在しないことになっているんですが、ニュートリノという、光子(光の粒子)と兄弟みたいな関係の粒子が、厳密に測定した結果、やっぱり光速以上の速度を持つことが実験結果として得られたわけなんですね。
 
 
通常、論文というのは、きちんと考察をして、解釈をして出すものなんですが、既存の理論体系から外れすぎているので、理論的解釈はせず、実験に関することのみ発表することになったというのも、すごい話です。
 
この結果がやはり本当なら、これまでの物理学の理論も大幅に修正が求められることになります。
 
 

宇宙の膨張が加速している

 
もう少し前になるんですが、宇宙の膨張が加速しているという観測事実も、これまた衝撃的な話でした。
これまでは、ビッグバン以来、膨張を続けてきた宇宙は、恒星などが質量を持ち、万有引力で引き合うために、いつか収縮するのではないか、と考えられてきたからです。
 
膨張速度がある程度以上の場合、膨張速度は緩むけれど、膨張し続けることもあり得る。
膨張速度がゆっくりの場合、ある時点から、収縮に転じる。
 
いったいそのどちらなのかを、天文観測から調べたところ、なんと、膨張が加速しているという、既存の理論では説明できない事実が判明してしまったわけです。
 
こちらは、事実そのものはすでに検証済みで、突拍子もなかったけれど、宇宙の膨張の加速は間違いない、ということになっています。
 
 
万有引力で引き合う力を超える、何らかの斥力(反発力)が働いていると仮定しなければ現象は説明がつかないんですね。
 
ダークエネルギーと呼ばれる、未知のエネルギーが存在して、それが斥力の元だと考えられているのですが、なんと、時間と共にダークエネルギーは増えていくと仮定されているようです。
 
私たちが物理の授業で習った、エネルギー保存の法則なんて一瞬で吹き飛んでしまうような、とんでもない仮定です。
 
これまた、どんな風に話が収束していくのか、気になるところです。
 
 
まとめはないですが、
こんな風に、物理学でこれまで当たり前と考えられてきたことも、それに反する観測事実が出てきて、覆されることがあるんだというのも、なかなか興味深いものです。
 
科学というと役に立つもの、という考えが強いですが、昔はヨーロッパの金持ちの道楽みたいな部分もあったわけですし、何かの役に立つかどうかという視点をいったん外して、芸術を見るような気持ちで、傍観者として、成り行きを楽しみに見守っていきたいと思います。