「セラピーの前に詳しい状況を送っていいですか?」という方へ

 

あづまです。
 
恋愛セラピーの利用者さんの中には、
「事前に詳しい状況を送っていいですか?」とおっしゃる方がいらっしゃいます。
 
私はこれまでも「自分のために書いてみてください」というスタンスできました。
 
というのも、セラピーの目標は、相談者さん(あなたです)が問題に直面したときに、自分で解決できるようになること、なのです。感情面の安定と、問題解決に適した考え方(解決志向)を身につけて、問題が起きても自分で解決できるように成長することを、何より大切にしています。
 
事細かく、これまでの経緯を書いてしまうということは、
「私は既にお手上げです。どうしていいか分かりません。先生全てお願いします。」
という状態になっているわけです。これは、残念ながら、上記の目的からすると、後ろ向きの状態です。
 
 
私自身の経験としても、長々と書いて下さった資料がこれまで役に立ったことはあまりありません。なぜなら、解決のためのポイントがどこにあるのか、資料を読んでも分からないからです。
 
それもそのはずです。
ご本人が、解決のためのポイントが分からない状態で書いているわけですから。
 
状況が複雑で、問題がたくさんあるように感じられる場合、それは、表面的な問題に一つ一つ対処することでは、解決しないことを意味しています。
 
 
なぜなら、通常、
・本当に解決すべき大事な問題はひとつ、ないし多くてふたつ。
だからです。
 
本当に解決すべき問題にたどり着いていないとき、多くの問題に囲まれているように感じるものなのです。ですから、「問題がたくさんありすぎて、整理がつかないから、文章に書いていいですか?」という状態の場合、かなり高い確率で、問題の本質は別のところにあります。
 
本当に取り組むべきポイントは、根本的な部分で、メンタル体力をつけ、小さな問題を受け流せるようになることかもしれませんし、あるいは、何か、過去に心の傷になるような出来事があって、そのことにフタをしていたのなら、その傷を癒すことかもしれません。
 
とにかく、問題がたくさんあるように感じた段階で、すでに、根本的な問題を見失っていることは間違いありません。だから、結局私は、セッションの中で、大事なポイントを探るための質問をしていくことになります。セラピーの時間内で投げかけた質問から得た情報の方が、ずっと解決のために役立つことが多いのです。
 
 
また、本当に大切なことは、人は事前の資料に書かないことが多いのです。
 
※本当に大切なこと、というのは、たとえば、夫との不仲で悩んでいて、表面的な問題が夫婦間のケンカと、夫の浮気だったとします。そのときに、セラピーでずっと根っこを探っていくと、妻の側の幼少期の愛情飢餓や心の傷に行き着くことがあります。でもそういうことは、事前資料に書かれることはまずないのです。問題の核心が分かったら、資料は不要で、「私の過去の○○を癒すのを手伝ってください。」とひと言でおしまい、なのです。
 
 
それともうひとつ。もしかすると今まで、人に「分かってもらえない」という経験をたくさんして、つらい思いをされてきたのかもしれません。だからちゃんと分かってもらおうとして、事細かく書こうとしてしまう。
 
でもそれは、有効なやり方ではありません。
 
本当は、分かってほしいのは、状況ではなくて、つらい中頑張っているという、自分の状態や気持ちなのです。だから、「つらいのです」「苦しいのです」と素直に自分の気持ちを言葉にすること、そして、それを受け止める心のゆとりを持っている人に伝えること、が大事なのです。
 
自分の気持ちを言葉にせず、状況のみを述べ、そして、伝える相手も、精神的にゆとりのない人、となれば、「分かってもらえない」経験を繰り返してしまうことになります。もうそのパターンは卒業し、抜け出しましょう。カウンセラーはちゃんと気持ちを受け止めます。それを信頼してみてください。
 
 
ですので、事前資料を作成したい方は、次のように取り組んでみて下さい。
セラピー的に効果のある方法です。
 
1.まず自分のために長い資料を作る
 
私に見せるためではなく、自分の気持ちや考えを整理するためだと思って、資料を作ってみてください。
 
2.「解決のために最も重要な点は何か?」を考え、A4 1枚にまとめる
 
これは、相当頭を使います。きっと難しいと思いますが、こういうトレーニングをすることは、今後の問題解決にも役立ちますので、やってみることを強くお勧めします。
 
3.このポイントで本当にいいのか、よくよく考えてみる。違うと思ったら再度まとめる。
 
これは、提出するためと言うよりも、ご自分のためにやってください。でも、提出するんだという目標があると、ぐっと真剣になりますから、その意味では提出のためにまとめようと考えても、よいと思います。意外にも、突き詰めていくと、状況ではなく、気持ちを分かってほしいというところに行き着くかもしれません。
 
4.もし2の資料を送りたいと思ったら、事前にあづまに送ってください
 
さらに積極的に取り組みたい方は、
 
5.自分なら、始めの一歩としてなにから取り組もうと思うか(自分の行動)
 
も、考えてみると、セラピーを受ける前の準備としては、完璧です。
(人によっては、解決してしまって、セラピーが不要になることもあるかも)
 
 
ご検討くださいませ。