【ココヘル646】「事実・解釈・感情」を整理する(決断力を高める6)

 

★女と男の「心のヘルス」ー癒しの心理学 646号 2015.1.24
 
こんにちは。あづまです。
いつも読んで下さってありがとうございます。
 
 
★本編
 
 
例題はこれでしたね。
 
今の彼氏はいい人なんだけど、
収入が低い(年収で300万円程度)。
結婚しても、もし子供が生まれたら、
夫婦は経済的に困窮してしまうかもしれない。
彼と結婚すべきか否か。
 
 
前回は、
この問題が「どのように」起きているのか、
それをよく見る前に、
 
「なぜ」と問うてしまうと、
 
古い思考パターンを引っ張ってきて、
短絡的な結論にジャンプしてしまいがち。
 
という話をしました。
 
 
短絡的な結論にジャンプするというのは、
脳が思考に使うエネルギーを節約している
ことの現れなんですね。
 
それはそれで、
パターン化しているときには、
効率的に働きます。
 
それで解決すればいいけれど、
今までのパターンで解決できないとき、
 
 
困難に直面して、
自分が固まってしまうようなとき、
 
 
そういうときには、
 
これまでの自分のパターンを、
変えないといけないんでしたよね。
 
 
そして、そのときには、
「なぜ」と問うことが、
マイナスに働くのでした。
 
 
問題が(私にとって)どのように起きているのか、
を紙にどんどん書いていきます。
 
 
そのときに、
あとで並べ替えられるので、
付箋紙に書いておくと便利だよ、
という話でしたね。
 
 
 
では、何をどう並べ替えるのか、
その辺の話を、今回は書いていきます。
 
 
 
前回、
 
>紙の一番上に書く問いは、
>「○○の問題が、どのように起きているのか?」です。
 
>次に、目分量でいいので、
>紙を4分割して、左から、
>出来事(事実)→解釈(考え)→感情(気持ち)→行動
>と、書きます。
 
と、書きましたね。
 
 
それで、
付箋に書いた、
「どのように起きているのか」を、
 
 
出来事、解釈、感情、行動、
に分けて、貼っていきます。
 
 
たとえば、
 
 
「彼が『ごめん、今日お金無くて』と言って、
 一緒に食事に行く予定を直前で取りやめにした」
 
↑これは、出来事ですね。
 
それに対して、もしあなたが、
 
「え?なんで? そういうことなら前もって
 言えばいいじゃん。何で急に言うかな?(怒)」
 
って考えたとしたら、
これは解釈(考え)のところに貼ります。
 
 
慣れてくると、
べつに付箋に書かなくても、
 
直接紙に書いても、
整理できるようになりますが、
 
 
始めのうちは、
 
解釈と感情が、ごっちゃになってしまったり、
事実と解釈が、ごっちゃになってしまったり、
 
結構するんですよね。
 
 
なので、
 
一旦付箋に書いて、
貼っておいて、
 
あとで貼り直すことができると、
整理が楽です。
 
 
 
で、
 
ごっちゃになるって、
たとえばどういうこと?
 
 
って話を、ちょっと説明したいと思います。
 
 
たとえばね、
 
事実のところに貼るつもりで、
 
「彼に、都合よく扱われた」
 
 
って、書いたとしますね。
 
 
この作業、慣れていないと、
 
これが「事実」と信じて疑わなかったりするわけです。
 
 
 
でも、
 
彼が、私のことを都合よく扱ったのかどうか、
それって、ものすごく主観的な話で、
万人が同意するような「普遍的・客観的事実」では
ないんですよね。
 
 
彼が直前になって、
外食するのを渋った、
 
というのが、色をつけていない、
客観的事実。
 
 
それに対して、
 
「都合よく扱われた、と思った」
 
 
というのが、こちらの、
「解釈」
 
ですよね。
 
 
 
また、
感情が出てこない人の場合も、
 
 
「どう感じたんですか」
「どんな気持ちを感じたんですか」
 
なんて質問すると、
 
「都合よく扱われたと感じました」
 
 
・・・(うん、それ感情じゃなくて解釈だよね?)
 
 
なんて答えが返ってくることが、
ときどきあります。
 
 
そういうとき、あづまは、
(あまり重要じゃないときは流しますが)
 
 
「それは、考えですよね。
 『都合よく扱われたと解釈した』ということですね?」
 
なんて、
わざわざ、
 
通常の会話であれば上げ足取りになりそうな
ことを、あえて確認することもあります。
 
 
そして、引き続いて、
 
「そう考えた結果、
 どんな気持ちが湧いてきたんですか?」
 
と、質問します。
 
 
「考え・解釈」⇔「感情・気持ち」
 
この両者は、
違うものだということを、
明確にしながら、
 
 
感情の方を、
ちゃんと言語化してもらうように、
促しています。
 
 
 
 
感情というのは、ネガティブなものについて言えば、
・悲しい・寂しい系
・怒り系
・不安系
 
の三カテゴリしかなくて、
どれも、
 
体に感覚が出ます。
 
 
なので、
なかなか、感情が分からない、
という人の場合は、
 
 
「体の感覚でいうと、
 どんな感覚ですかね?」
 
などの質問をして、
感情を言葉にしてもらっています。
 
 
 
事実(出来事)

解釈(考え)

感情(気持ち)
 
という流れを、
自己観察して、紙に書いてみる。
 
 
これは、
 
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のパートAを受けた方なら、
 
私がかなり、
口を酸っぱくして
ここを大事にしよう!って言っていた、
 
 
実況中継のスキル
 
のことなんだな、
って分かると思います。
 
 
 
ここで、
「行動」はどう書けばいいの?
 
って思ったあなた。
 
 
「行動」は、省略しても構いません。
 
 
但し、行動を省略しない方がよいケースもあります。
それは、あなたの行動が、悪循環を生んでるかも、
と思う場合。
 
ただ、行動は、
一連の自分の「反応」の中では、
「結果」なので、
 
そこだけ変えようとするのは難しく、
あくまで「書いておく」「把握しておく」
ような目的です。
 
 
 
ところで、
相手の行動について、
「解釈」しようという試みを、
 
人は行いがちなのですが、
 
そしてそのこと自体は、
やってはいけない、とまでは言えない
わけなんですが、
 
 
解釈がずれていると、
相手との関係が悪くなる。
 
これは、知っておいた方がいいし、
要注意ポイントです。
 
 
先日テレビドラマを見ていたら、
 
浮気問題を起こした女性(←女性の方が浮気した)
に対して、
 
夫と、友人知人が集まって、
 
 
なんだか、
 
「反省を促す会」
みたいなものを開催していたんですね。
 
 
もうこの時点で、
「笑顔の皮を被った、数の暴力」
的な、うさんくさい雰囲気満載でしたが、
 
(まあ、ドラマなのでね)
 
 
基本的に、こういうとき、
 
 
正しい側に立った方は、
 
間違った側が(この場合は、その女性が)、
 
 
きちんと、道徳やルールを、
分かっていなかったり、
重視する気持ちを持っていないから、
 
そうなるのだ、
 
 
別の言葉で表現すると、
「本人の人間性の問題だ」
 
 
と、
 
勝手に決めつけて、
 
 
そこを直させよう、
という前提を持って、
接することになりがちです。
 
 
 
相手が本当はどう感じていて、
そう、
「どのように」その間違いが起きたのか、
 
それを知ろうともせずに、
 
 
勝手に決めつけて、
そこを直させようとするわけです。
 
 
 
ここで、
勘違いしないでほしいのは、
 
 
相手の言い分を100%受け入れろ、
とか、そんな乱暴なことを言っているのでは
ないのです。
 
 
その人には、
その人の感じ方、
その人の視野の範囲、
その人の(いまは変えられない)心の痛み、
 
などがあって、
 
その世界の中で、
本人なりに合理的に行動した結果、
 
 
その(結果的には間違っている)行動が、
生まれているのだということ。
 
 
そこを、理解することなしに、
 
 
きちんと、道徳やルールを、
分かっていなかったり、
重視する気持ちを持っていないから、
 
そうなるのだ、
 
だから教えてやらねばならない、
反省させなければならない、
 
 
という考えを、
一方的に押しつけるために、
 
 
表面だけ笑顔でくるんだ、
 
「話し合い」
という場を設けようとすれば、
 
 
残念ながら、
結果は玉砕することになります。
 
 
要するに、
何が言いたいかというと、
 
 
人は、
自分自身の内面のことでさえ、
 
 
「解釈」
の部分が、かなりイイカゲンに出来ていて、
 
上に書いたように、
紙に書いてみて、丁寧に扱ってみないと、
 
偏りに気づかないものなのです。
 
 
ましてや、
 
他人のことを「解釈」するのは、
より一層、慎重になるべきなんですね。
 

やるな、とは言ってませんが、
下手な解釈をして、状況をこじらせるケースが、
結構あると感じているので、
 
他人を解釈するときは、
慎重になりましょう、
と言っているのです。
 
 
 
では次回、
例題のテーマについて、
具体的な話をまじえながら、
 
事実→解釈→感情、
の例を挙げて、考えてみたいと思います。
 
 
 
次回もお楽しみに!
 
 
※なお、この記事の内容は、
 3月に開講する予定の、
 「人間関係セラピスト養成講座 パートC」
 のコンセプトを簡潔にお伝えしているものです。
 
※パートCの受講のためには、パートAの受講が必須です。
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★Lのマメ知識
 
「第一種過誤」と「第二種過誤」
 
難しい用語ですね(^^ゞ
 
分かりやすく言うと、
第一種過誤とは、
本当はなかったのに、「ある」と間違ってしまうこと
 
第二種過誤とは、
本当はあったのに、「ない」と間違ってしまうこと
 
のことです。
 
 
犯人逮捕で言えば、
えん罪で逮捕してしまうのが、第一種過誤
犯人を見逃してしまうのが、第二種過誤
 
ということになります。
 
健康診断で言えば、
「肺に影があります」と言われたが、
精密検査の結果、「何もありませんでした」が第一種過誤
 
重大な疾患を見逃してしまうのが、第二種過誤
 
ということになります。
 
 
最近、地震予知や火山予知のことを
考えることがあります。
 
専門家の人たちは、
一生懸命やっているのでしょう。
それは、まあ、いいのですが、
 
 
そもそも、
地震予知とは、
どの程度の、第一種過誤が、許容範囲で、
どの程度の、第二種過誤が、許容範囲なのでしょう?
 
 
たとえば、
健康診断のように、
 
「見逃してはいけない」(第二種を避ける)
を重視して、
 
とりあえず、
警報を頻発しておこう。
 
と、やったとしますね。
 
 
警報100回のうち、
本当に地震が来るのが、大体1回程度。
 
だったとすると、
 
 
それって、
 
オオカミ少年的になってしまって、
そのうち誰も本気にしなくなって、
しまうんじゃないか。
 
 
では逆に、
どの程度の第一種過誤だったら、
世の中的に、容認されるんでしょうか?
 
10回に9回外れるのは、
許せる?
 
というか、
警戒心を持ち続けていられる?
 
3回に2回外れるぐらいだったら、
警戒できるかな?
 
こういった、人間の心理的反応
についての考察も、
「予知」をする場合、大事だと思うんですよね。
 
 
まあそもそも、
30年以内に、70%の確率で、
大地震が来る、みたいなのは、
人間の人生の時間で計ると、
予知とは言えなくて、
 
 
だから、どう行動すればいいの?
みんなして、その地域から30年間避難する?
ってなっちゃうから。
 
 
 
★脳トレ的クイズ
 
(モンティ・ホール問題的、まずいお茶)
 
あるバラエティー番組で、
出演者のあなたは、罰ゲームを受けることに。
 
でも、まずいお茶を飲むのは、
できるだけ避けたい。
 
この司会者は、
みっつのお茶から、あなたにひとつを選ばせます。
 
ちなみに、
ふたつはまずいお茶(アウト)、
ひとつだけ、おいしいお茶(セーフ)、です。
 
 
あなたが選んだら、
司会者は必ず(ここ大事)、
残りの二つの中から、ひとつを取り上げ、
これを出川哲朗さんに飲ませます。
 
このとき、司会者は、
どれがまずいお茶か知っていて、
必ず、まずいお茶を選びます。
 
「おえ???? まずい???? うお????」
 
会場は、出川さんのリアクションで、
盛り上がってきました!
 
そこで、司会者は、毎週決まっているのですが、
このせりふを言います。
 
「さて、あなたは、こっちのお茶(残ったひとつ)に、
 選び直しをしてもいいですよ。どうします?」
 
 
さて問題です。
 
あなたは、
お笑い芸人ではないので、
(しかも出川さんに、すでにリアクション芸を、
 出されてしまってもいるので)
まずいお茶を飲んで、笑いを取るのは、
勘弁だ、と考えています。
 
おいしいお茶を飲める
確率が高いのは、どちら?
 
 
A.最初に選んだお茶のまま、変えない
B.選択を変える
C.どちらも確率は変わらない
 
 
解答は、ココヘル+の方で発表。
 
 
★登録セラピストのセラピーも絶賛受付中です
https://www.556health.com/therapist-list.html
 
 
◆編集後記
 
日曜日のオープンカウンセリングでは、
希望者がかぶったときに、サイコロを振って決めようと
考えているんですが、そのサイコロを、さきほど作りました(笑)
正十二面体のものを。
 
┏━◇━━◇━━◇━━◇━━◇━━◇━━◇━━◇━━◇━━┓
 ◆女と男の「心のヘルス」ー癒しの心理学
 祝!TBS・日テレ・フジテレビ出演(目指せNHK!)
 ◆ご意見、ご感想お待ちしています。このまま返信!
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 もっと幸せな恋愛・結婚生活・人間関係を求める方に情報提供
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 ◆制作:阿妻靖史(あづま やすし 恋愛セラピスト)
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