恋愛セラピーの手法 概要

 

傾聴・受容
 
 セラピーというと、魔術的に感じるかもしれません。でもセラピーの基本はあなたのお話を親身に聞くことです。悩んで、自信がなくなっているときは特に、ちょっとした問題でも話すのが怖いものですね。私は、それが分かっていますので、あなたのお話を否定せずに聞きます。たとえ今あなたが後悔していることであっても、あなたは、そのとき、自分の中の何かを守るためにそうする必要があってその行動をとったのだと思いながら話を聞いていきます。
 「話を聞いてもらうだけで楽になる」ことも実は多いのです。あなたの話をセラピストのように否定せずに聞ける人は、身の回りには少ないでしょう?話を聞くのもセラピストの能力なんです。その人の持論を展開したり、説教したりする人には、あなたの心を開いて話をするのは難しいですよね?
 まず、セラピーと言っても、あなたが話を聞いてもらえて、受け止めてもらえたと感じること。そうやって心の元気が出てくるところがセラピーの始めの一歩であり、基本です。
 特に、他人の目ばかり気にして、自分の欲求や感情を肯定できない、自信がないあなた。自分探しをずっとしているあなた。あなたの欲求や感情を素直に話してください。自分の率直な気持ちを否定せずに聞いてもらえることが自信につながっていくことを実感し驚くかもしれません。自信の元、自分自身の存在は、あなたの心の中にある感情なのです。それを否定せずに聞いてもらえる経験が、自分らしく、ありのままにいていいという、自分への許可につながります。
 
 セラピーの場では話し上手である必要は全くありません。まとまりのない話。自分でも話しているうちに最初と言っていることが変わってくる話。言いたいことはあるんだけどうまく言葉にならない話。そんな話で結構です。セラピーではむしろ、自分の心を感じながらゆっくり話すことが大事だと思っています。
 
 自分で言うのも照れますが、私は聞き上手なので、あなたはいつのまにかついついしゃべっている自分に気付くかもしれません。
 
 
知識・専門家としての目
 
 私は、手法としては様々な方法を用いますが、対象は男女の問題に限定しています。それは、医者でも専門分野があり、弁護士でも専門分野があるように、専門家として十分なサポートをするためには分野を絞って深い知識を持つ必要があると考えているからです。「どんな問題でもやるけれど、どれも中途半端」というのでは、専門家として十分なサポートができません。
 男女の問題には、特有の「クセ」があります。男性と女性の違いや、セックスという人間の獣性にかかわる問題。親との関係。また、たいていの人は問題が相手にあると感じているのも男女の問題に特有です。
 ・男性の心理の特徴
 ・女性の心理の特徴
 ・コミュニケーションの方法(アイ・メッセージなど)
 知識は力です。このような知識を得てもらうことも必要であればセッションの中で行っています。これによって、知識(表層意識を変える)+癒し(潜在意識を変える)の両方の効果で早く問題を解決していくことができます。また、苦しい恋愛をされている方は、現在の状態が不幸であることを感じなくなっているものです。私が見て、「一般的に言うとその相手と関係を続けるのは難しいですよ」など、偏らない目で冷静に判断することも、新たな一歩を踏み出す上ではとても大切なことだと考えています。
 
 
解決志向ブリーフセラピー
 
 しかし、セラピストにいくら話を聞いてもらって気持ちが整理できて元気が出ると言っても、実は聞いてもらっただけではすぐに問題が解決しないことも多いのです。そこで私は「解決志向ブリーフセラピー」という手法を取り入れています。解決志向ブリーフセラピーでは、
 「もし奇跡が起きて、問題が解決したら、どうなっていると思いますか?」
これは「ミラクルクエスチョン」という質問ですが、これを聞くことが多いです。これは「解決像」をイメージするための質問です。解決したあとの生活をイメージすることで潜在意識も、表層意識もその生活を手に入れるためにフル回転することができるのです。
 逆に、悩みがあって、年中その悩みことを考え、それを「嫌だ」「嫌だ」と思って毎日過ごしている時は「問題」をイメージしています。潜在意識はイメージしたものを手に入れるように働きますから、問題をイメージしているうちはそこから出られないんです。
 解決像をイメージすることが大切です。
 
 もちろん、深く悩んでいるときには、この簡単な質問一発で解決することが期待できない場合もあります。ですから以下のセラピーの手法も併用するのですが、どのような未来だったらあなたが幸せになるか、それを知ってセラピーを進めるために必ずこの「解決志向ブリーフセラピー」は使っています。
 
 また、このミラクルクエスチョンは、「彼氏ができない」という方によく使います。奇跡が起きた一日なのに、なぜか結婚相手との距離が遠かったり、あるいは結婚相手そのものが登場しなかったり。そんなことがあります。男性に対する怖れが問題だと分かれば、解決策の提案もできますので。
 
 
フォーカシング
 
 私が最も多用するのがこの「フォーカシング」です。ユージン T. ジェンドリン博士らが、効果のあったセラピーとそうでないセラピーの違いを研究したところ、なんとセラピストのテクニックはあまり効果には関係がなく、相談者側が、話し方がどこかでゆっくりになり、言葉にならない感覚を探るようなしゃべりかたをする人が効果が上がったということが分かりました。平たく言えば、頭で考えている人はよくならず、心を探る人は悩みが解決するということです。
 その後、この知見は心を「体の感覚」として感じて、一体自分が何を感じているのかを明らかにする手法として発展しました。それがフォーカシングです。実は私たちは無意識にこの方法になじんでいます。私たちは日頃、「楽しくて胸が踊る感じ」とか「悲しくて胸が張り裂けそうな感じ」「不安で胸が締め付けられるような感じ」「重圧で胃が重くなる感じ」「緊張で喉が苦しくなる感じ」などを感じていますが、フォーカシングとはその感覚を活用して行うセラピーなのです。
 
 私のセラピーでは、問題が起きているシーン(たとえば好きな相手を前にすると緊張してしまう)を思い浮かべてもらい、その時に感じた気持ちを、体のどこで感じるか、どんなふうに感じるか、と質問してゆきます。その後、その気持ち自体に「どうしてそこにいてくれるのか(きっと本人のためになっているんですよね?)」を尋ねてゆきます。そのことで、今まで嫌なものだと思っていた自分の感情が、実は大切なメッセージを送ってくれていたということに気付いてゆくのです。
 
 自分の感情の一部を否定する考えは、自己否定や劣等感につながり、それが様々な問題の原因となります。フォーカシングを使い、自分の感情の大切さ、素晴らしさ(たとえネガティブな感情であっても)に気付くことで、否定的な自己意識から抜け出し、ひいてはつき合う人、仕事、収入などの環境までも変わっていく、その始めの大事なきっかけを作ることができるのです。
 
 フォーカシングは初めての人でも比較的簡単に行うことができる優れた心理療法です。心を開き、素直な気持ちで取り組むとそのまま催眠に入ることもできます。催眠・ポジションチェンジ・イメージワークなどと組み合わせることのできる応用範囲の広い心理療法です。
 
 
イメージワーク
 
 イメージワークは、私の場合フォーカシングと組にして使うことが多いです。フォーカシングで感じた体の感覚に、色や形を付けてみます。そうすることで漠然としていた自分の感情というものが「実体化」するのです。私たちは目に見えないものを認識することが苦手ですが、このイメージワークを使うことで、目に見えない「心」や「感情」、「愛」などがあたかも手で触れられる「物」であるかのように感じることができ、あらたな気づきが起こるのです。
 またイメージワークの別の使い方として、「怒れないあなたを物・動物・植物に例えて見てください」みたいな質問をすることがあります。「ハツカネズミです」「どんな感じですか?」「無防備で痛々しい」「守ってあげたいですね。」こうやってイメージすることで、自分自身を客観的に見ることができます。自分のことだと重くて冷静になれないけれど、他人事だと冷静に判断できることがありますね。自分自身に問題が起きたとき、こうして客観視することができるので、問題を解決することができるのです。
 
 最近は、大事なポイントでイメージワークを使うことが多いです。
 言葉よりも、自分の気持ちを直感的に理解することができるので、変化が早いです。
 
 
ポジションチェンジ
 
 これも、私が好きなセラピーの手法です。現在悩みの原因となっている人や、同居していて自分をコントロールしようとしてくる困った人を目の前にイメージします。そしてそのイメージした人に向かって言いたいことを言います。次に、自分と相手を入れ替えて、相手の立場から素直な気持ちと、自分へのアドバイスを言います。その後、第三者の目からも問題を見つめることをします。
 問題が起きて悩んでいるときには、目が自分に向いています。苦しさ、自信のなさ。周りの人を見るときも、「自分がどう思われるか」だけを見ています。この状態では良好なコミュニケーションは取れないし、問題も解決できません。
 このポジションチェンジを使うことで、相手になりきって感じ、理解することができます。また、今まで言えなかったことを言ってみたり、言って欲しかったことを相手に言ってもらったり、更には既に亡くなった人を呼びだして話をすることもできます(あくまで自分のイメージの中で)。
 
 私自身は、ある男性との関係をよくしたいと思い、このセラピー手法を自分に使ったことがありました。その結果出てきた解決策が「プレゼントをあげて、きっかけをつくる」というものでした。驚いたことに家に帰ったら逆にその男性から「プレゼントが届いていた」のです。願っただけで叶ったと言うべきか、ポジションチェンジしたときにその男性の意識が私の中に入ってきたと言うべきか、奇跡と思えるような効果が現れました。もちろんその後仲良くなったことは言うまでもありません。
 ここまでのシンクロニシティーを毎回期待することはできませんが、相手の目線から自分を見てみるという経験から学べることは非常に多いです。また、私が誘導しますので、ポジションチェンジした相手から責められるようなことはないんですよ。あなたのために、考えてくれます。これは本当に嬉しい、癒されるセラピーです。
 
 
インナーチャイルドヒーリング(催眠療法/ヒプノセラピー)
 
 インナーチャイルドとは、あなたの心の中にある子供の自分です。どんな両親でも完璧ではないので子供の頃に親から言われたことで誰でも心が傷ついて、その傷ついた部分は子供のままで成長が止まっているのです。
 インナーチャイルドヒーリングとは、自分の中にある傷ついた子供をイメージし、その子に大人の自分が愛情を与え、傷ついたときに生まれた「禁止」を解いて自由にしてあげるワークです。
 どういうわけか誤解される。嫉妬深い自分が嫌だ。彼氏を束縛してしまい、関係が壊れる。自分が重いのが分かっているから連絡を取らないようにして、結局苦しくなってしまう。そんなあなたは、傷ついたインナーチャイルドを持っているかもしれません。
 インナーチャイルドに向かって、「嫌なことは『嫌だ』って言っていいんだよ」「嬉しいときは『嬉しい』って感じていいんだよ」「やりたいことを最後までやっていいんだよ」など、今まで禁止されてきたことを許可するメッセージを送ります。メルマガ、女と男の「心のヘルス」?癒しの心理学を読まれている方は、「今日のアファメーション」をインナーチャイルドに向かって行うといえば分かりやすいでしょうか。
 
 愛情を感じて、癒されながら問題も解決していく、そんな癒しの催眠療法(ヒプノセラピー)です。
 
前世退行(催眠療法/ヒプノセラピー)
 
 前世退行あるいは前世療法とは、催眠下で前世の経験を呼び出す催眠療法の手法です。私は前世からの悪い因縁を気にしすぎない方がよいと考えていますので、前世退行を行ったときに、悪縁を絶つ暗示をかけています。どうしても寂しい気持ちの出所が分からない、なにか憑きものがあるような気がする。そんなあなたは、前世を体験することで光明が見いだせるかもしれません。但し、前世療法は私の経験上現在の心理状態が反映しやすいワークです。つまりうつ状態や他の心の問題で精神科にかかっているような状態の方は極めて不幸な前世が見える可能性が高いということです(ここでは前世療法で見えた前世が本物かどうかという議論は置いておきます)。現在の心理状態が特にネガティブな人はお断りしていますので、あらかじめご了解下さい。催眠療法?前世退行もご参照下さい。
 
 
退行催眠(催眠療法/ヒプノセラピー)
 
 どういうわけか、ある特定の状況になると心にない行動をとってしまい、あとで後悔する。自分が分からない。そんなとき、記憶の底に沈んだ過去の辛い体験が無意識の恐怖を呼び起こしているのかもしれません。退行催眠によって普通の状態では思い出さない過去の記憶にアクセスすることができます。
 その体験はすでに、現在のあなたにとっては対処可能な出来事かもしれません。小さい頃のあなたはどうにもならないように感じたかもしれないし、実際その時のあなたには対処できない問題だったかもしれません。でも、あなたはすでに大きく、強く、賢く成長しました。私の行っている退行催眠は分離退行催眠といって、大人のあなたの力と知恵を持ったまま当時の状況を眺める方法です。これによって催眠療法でありがちな、「過去に退行したが結局無力な自分を再体験しただけ」という事態を極力避けることができます。退行催眠の中で今の自分にできることを再認識し、過去から学ぶことができるワークです。
 
 
恋愛の話・人生の話
 
 通常セラピストは話を聞くものですが、私は一方的にしゃべるという手法をとることもあります。これはエリクソン催眠という方法からヒントを得てやっているものです。誰か他人の恋愛話(これは私の体験談の場合もありますし、架空のたとえ話の場合もあります)を聞いていると、いつの間にか自分の体験と重ね合わせ、感情移入して聞いてしまうものです。私の話はいろいろためになる暗示を入れてありますので、話を聞いているうちにいろいろな気づきがあることがあります。だから、セラピーの途中で一方的に話をすることがあるのです。
 また、他人に指示されると嫌な気持ちになることってありませんか?その気持ちはとてもよく分かります。だから私は、指示をした方がいいかな、と思ったときでも直接「これをしなさい」という言い方はしません。むしろ「○○なケースがあって、その時その人は△△してうまく行きました」という話をします。これなら選択権はあなたにあります。しかし、私の話に聞き入っていると、いつのまにかその行動をしたくなってくるかもしれませんね。それでいいのです。
 
 
レイキヒーリング
 
 レイキは手当て療法を発展させたもので、手を当てることで「気」を流し、体の不調や心の不調までも改善させることができる方法です。日本では医療行為としては認められていませんが、ヨーロッパなどでは代替医療として用いられています。
 
 心理療法は「無意識の意識化」つまり心の底にある感情などを頭でも理解し、対策を考えることを主眼にしているものが多いのですが、このレイキは「無意識を意識化しない」ことが特徴です。深刻なトラウマがあるようなケースでは、過去の辛い体験を再体験してしまう心理療法の手法よりも、心の傷を開かない方法が効果を上げる場合だってあるのです。
 
 私のセラピーでは、話を聞いている段階から気を送っています。
 本格的なレイキヒーリングをご希望の方は、あらかじめご予約の時にお申し出下さい。他のセラピー手法は私の判断で選んで行っていますが、レイキヒーリングは体に手を触れる方法ですので、特に依頼があった場合のみ行っています。
 
 
成長・発展
 
 私は毎日が勉強で、今でも成長し続けています。役に立つ手法や知識は貪欲に吸収し、常に発展していきます。ここに書いた手法だけでなく、新たな手法も開拓していますし、すでに使っている手法も組合せや創意工夫でますます磨きをかけています。相談に来られたあなたと共に私も成長してゆくのです。