心理療法の効果が出る人、出ない人

 

 優れた心理療法といえども、魔法ではありません。すべての人に効果が出ることを保証できるわけではありません。とは言え、やってみなければ分かりません、というのでは、あまりに無責任な言い方ですから、ここでは、効果が出やすいケースと出にくいケースについて、私の考えを書きたいと思います。
 
 効果が出る人:粘り強く取り組める人
 効果が出ない人:すぐあきらめてしまう人
 
 まず、これは確実に言えます。心理療法は心のトレーニング法のようなものです。筋トレも継続しないと筋力が付かないのと同じで、心理療法もすぐにあきらめてしまうと効果がでません。
 
 但し、効果が出ない方法を延々繰り返してしまうのは意味がありません。効果の出る心理療法は、初回から何か手応えがあるものです。効果を少しでも感じたら、継続してみる。その姿勢が大切です。
 結局、心理療法であるかどうかにかかわらず、人生を変えてゆける人というのは、小さい効果が出る、単純なことをコツコツ積み重ねることができる人、ということが言えると思います。
 
 魔法を期待するのではなく、かといって、効果が全く出ないことを苦行のように延々繰り返すのではなく、効果を感じたものについて、コツコツ積み重ねるという姿勢が、何より大切なのです。
 
 また、しばらく同じことを繰り返していると、効果が感じられなくなってくることがあります。その時は違う方法にチャレンジするときかもしれないと考えてみるのも、よい習慣です。