自分自身の、食生活から、食糧自給率とTPPを考える

 

いきなりですが、私の朝食は、バナナです。
 
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に参加するかどうか、という話がマスコミを賑わすことが多い昨今ですが、
 
TPP反対の理由の筆頭はほぼ、米を関税で保護することが難しくなり、農業に大打撃を与えるというものですね。
 
 
ま、専門外の私が言う話なので、細かいところは色々間違っていると思いますが、しかし、よく、ロジカルに考えてみたら、色々突っ込みどころの多い議論であることはすぐに分かるはずなんですね。
 
私の朝食は、バナナです。以前はグレープフルーツでしたが、いま、歯の矯正をしていて、繊維が引っかかるので(笑)バナナになりました。妻がこの間から朝バナナダイエットを始めたので、夫婦揃って、朝バナナ、です。
 
バナナはフィリピンなどから輸入されています。グレープフルーツは南アフリカとカリフォルニアが多いですね。
 
 
うちの昼食は、麺類が多いです。パスタが中でも多いですが。デュラム・セモリナ粉、というかそれをパスタにしたものを輸入してきていますよね。
 
 
夕食は、お米のごはんを食べることが多いです。
 
 
さて。日本の米の消費量は年間800万トンぐらいのようです。対して小麦は600万トンちょい。実はいい勝負なんですね。すでに米は日本の主食とは言えないですね。主食になる穀物のうちのひとつ、とは言えると思いますが。
 
米の消費量が減ると同時に、何が増えているかというと、肉や油だそうです。まあつまり、おかずが増えて、穀物ばかりではない食事になっているというわけです。
 
それで、米の食糧自給率を必死で守ったとしても、よく考えてみると、米・小麦・肉などその他、で考えると、ざっくりと4割、3割、3割、ってところじゃないかと思うんですが、全体の4割を守ったに過ぎないんですね。
 
4割に過ぎない米を100%にするより、残りの方に力を入れた方が、食糧自給率という意味ではよっぽど効果的じゃないかと思うんですが。それに私は、パスタとかパンも好きなので、小麦の供給はちゃんと途絶えないようにして欲しいと思いますね。
 
このような状況を鑑みれば、米のことをことさらに言うのは、その他の問題点を隠すための目くらましじゃないかと、勘ぐりたくもなります。
 
 
それで、どうやら、小麦を国内生産して現在輸入しているような価格で供給するのは、あまりに無理すぎてあきらめているようなのです。大規模農場じゃないと採算が合わないようです。
 
日本は、農地改革で、小作人たちに土地を分け与えるという政策が実施されて、そのときはみんな感謝して農地を受け取ったわけだけれど、こうして時がたってみると、子孫への呪いを受け取ったのかもしれない、と、ついブラックな事を考えてしまいます。
 
農地を持っていて一番恩恵を受けたのは多分、ちょうど都市化されるきわの土地を持っていて、宅地などに転用して転売したり、アパートを建てて不動産賃貸業に転業した人、じゃないかと思うのですが。
私が今借りて住んでいるアパートも、大家さんは農家なんですね。先日も新しいアパートが完成してました(笑)
 
話を戻すと、大規模農場にするためには、みんなが自分の土地の権利を手放して、集約することが必要になるわけですが、色々な利害が絡んで難しいようですね。
 
 
それで、TPPの話に戻るわけですが、私がTPPに一番期待することは、食料を輸入する権利を確保できること、です。政治的圧力などで、食糧の供給をストップされる、というような問題が起きないよう、食料の安全保障というのはとても大事なわけで、それが担保されることです。
 
TPPではとかく、輸出できることはメリットで、輸入が増えてしまうことはデメリットだ、という論調が多いのですが、食料に関しては、日本が弱者であることを認め、輸入できる権利を確保するためにTPPを最大限活用して欲しいと、私は願っています。
 
 
最後に、輸入が増えることの問題点というのは、本質的には失業問題なのですよね。
これは、構造的な問題で、農業も機械化されて人手がいらなくなり、工業も高度に機械化されて人手がいらなくなり、人間が必要とされる分野は、大抵かなり高度な知識が必要になってきていて、それは、一部の人にしか仕事が回らない。
 
で、多くの人は、仕事をどうするのよ、と。
 
そういう話なんですよね。
 
その話はまたそのうち気が向いたら書きます。
では。