お笑い芸人河本氏がつるし上げられた件についての違和感

 

先日、母親が生活保護を不正受給したということで、お笑い芸人の河本氏がテレビで謝罪していました。
 
それを見て、本人が不正受給していたなら、そりゃ土下座ものかもしれないけれど、実際に貧乏だった時期も長い(らしい)、母親が受給していたなら、あんな風に悪者扱いする必要はないのになぁ、と感じていました。
 
そこに、大前研一氏が、メルマガでその件を取り上げていて、そうそう、とうなずいてしまいました。
 
大前研一 ニュースの視点(まぐまぐ)
(但し最新号のみ表示なので、時間がたったら読めません)
 
曰く、
>ただ今回のニュースに関して言うと、お笑い芸人の河本氏が
> 「高所得者の息子が親の扶養をしないのはおかしい」ということで
> 槍玉に上がっているようですが、私は不思議に感じました。
 
> 「いつの間に子供が親の保護をすることが法律で義務付けられたのか?」
> と思ったからです。
 
> 私が知るかぎり、このような法律はないと思います。
 
> 親も子も独立していて生活拠点も違うのであれば、お互いに
> 「独立した大人」なのですから、それぞれ別々に考えるのが筋だと思います。
 
> もし仮に「高所得者の子供は親の扶養義務がある」というような
> 法律があるのなら、その場合には「税金の還付」くらいあっても
> 然るべきではないでしょうか。
 
 
私が直感的に思ったのは、まあ、職業柄、というところですが、
親は現在貧乏、しかしかつて、本当にひどい親で、
子供はその中で相当傷ついて育った。
 
もう絶対、実家には近づきたくない。
なんなら、縁も切りたいぐらいだ。
 
という息子がいたとして、
で、その息子、結構ビジネスセンスがあって高額所得者になった。
 
 
こういうときにも、本当に、正気で、
小宮山厚生労働相は、親の扶養をすべき、と主張するのだろうか?
ということ。
 
 
義務、というのはそのぐらい重いものなんですよね。
本当に、そういうことを国民に言う覚悟があって、
小宮山厚生労働相は、そう言っているのか?
 
 
どんなに傷つけられて、
どんなに、ひどい目に遭わされても、
高額所得者だったら、
身を引き裂かれる思いをしてでも、
親を扶養すべき。
 
そういう話になるのか。
 
 
逆にもしも、親の扶養は、義務ではなく、
気持ちの面も含めて、ゆとりの範囲で任意で、
という話になるのであれば、
 
高額所得者の親が生活保護を受けていても、
不正受給(法律違反)とまでは言えないはず。
 
子供に対して親を扶養してあげなさいという勧告や説得は出来るとしても。
 
まあ、河本さんの場合、おかんネタで受けを取ったりして、稼ぎのネタにしていることもあるから、そういう意味では、おかんに少し還元すべきじゃないかという話は、筋が通っている気もしますが、
 
 
親であるだけで、子供がそこまで責めを負うのか、となると、
 
なんだか、空恐ろしい感じがしました。
 
 
義務ってのは、きちんと線引きをして、ルールとしてしっかりと守らせる。
そういう話なわけで、
 
なんとなく、あいつ稼いでいるのに、親に生活保護受けさせてるのがムカツク、みたいな感情論で人を裁いてはいけないと思うんですよね。
 
上記の大前研一氏のメルマガには、不正のしようがないように食料品で現物支給、などの対策もありうる、という話が書かれていました。
 
確かに、なんだか本当は困っていなさそうな人が、ズルして生活保護を不正受給しているケースが見受けられるんだろうけど、その対策としては、かなりお粗末な感じがするわけです。
 
小宮山厚生労働相、ほんとにこの人、頭いいんかいな?
頭悪い人がルールを作ると、すぐ抜け道を作られてしまうから。
大丈夫か?
 
と、感想を書いておきます。