ときには”形で示す”ことも大事。

 

先日、カンブリア宮殿を見ていて、
M&Aで、
後継者のいない中小企業、でも、従業員の生活があって会社をつぶせない、という状況の企業を、その事業がほしいと言ってくれる買収先とマッチングして救うというビジネスをしている会社の社長さんが出ていました。
 
その会社のビジネスの根幹は、膨大な、企業診断のスキルと、マッチングのためのネットワークで、それはこのコラムとは関係ない話なのですが、
 
その回の中で、印象に残ったことがあったので、書こうと思いました。
 
 
買収する側の企業が、その後買収された会社の人たちとどううまくやっていくのか、
そういう問いに対して、M&Aマッチング会社の社長さんはこういう話をされていました。
 
 
あと50万円出して下さい。
そのお金で、(買収される側の)社長さんの、新しい机と椅子を買って下さい。
そして、会長として、これからも指導をお願いします、という形で席を作って下さい。
 
そういう話をされていました。
 
相手の尊厳を大切にする、という話でした。
 
 
そうすると、取引先の人たちが訪問してきて、
「あれ、買収されたはずなのに、こんな立派な席があるんですか?」
となる。
 
すると、(元)社長は、訪問してきた人たちに、
「新しい社長は、人情の分かるやつで、こうして席を用意してくれた。
 新社長に協力しないやつは、ただじゃおかないぞ。」
というぐらい言うようになる。
 
そうすると、元々その社長についてきた人たちが、すんなりと新社長についていくようになる。
 
という話。
 
 
やはり、第三者の存在があったり、パブリックな側面がある場合は、
気持ちを持つ、というだけでなくて、
 
【その気持ちを、はっきり分かる形で示す】
 
ということが大事なこともある、と思いました。
 
心理学をやっていると、内面が大事、という話に偏りがちになりますが、
それをきちんと、形で示すことも大事だなぁ、と改めて思いました。