催眠療法(前世療法)事例

 

催眠療法(前世療法)の事例です。
 
 M子さん(27)のケースです。
 
 彼女は、ちゃんとした両親に育てられ、問題なく成長したのに、どういうわけか寂しさと不安を感じることが多く、恋愛にも影響していました。そんな自分をもっとよく知りたいと思い、前世療法を受けて何かヒントを得られないか、挑戦してみたのです。
 
 まず、催眠誘導を行いました。とても素直な彼女は、初めての催眠のワークにも積極的に入ってゆきました。そして私は、前世に戻るという暗示をかけてゆきました。
 
 ・・・私が3つ数えると、雲が晴れてゆきます。すると、そこはあなたの過去の人生です。
 ・・・3,2,1,ハイ!
 
 
 彼女は漁師村の女の子として生まれました。14?15歳ぐらい。
 時代は、どうやら江戸時代の日本のようです。
 「みさ」という名前でした。
 はじめに、砂浜が見えました。
 幼なじみの男性(漁師)が漁の準備をしています。
 みさも、ついて行くようです。
 
 
 私が、「人生の大事な場面に移ります。5,4,3,2,1(指を)パチン!」と言うと、
 
 
 二十歳のみさが出てきました。
 おばあちゃんが布団に寝ています。既に亡くなっていました。
 悲しく、寂しい気持ちがこみ上げてきます。
 どうやら、漁に出られず役に立てなかったおばあちゃんにみんなが冷たく当たっていて、おばあちゃんは失意の中で亡くなったようです。
 「ごめんなさい」 優しいM子さんは、涙を浮かべていました。
 
 
 次の大事な場面に移ります。5,4,3,2,1,パチン!
 
 
 今度は、祝言(結婚式)を挙げるところのようです。22歳のみさがいました。
 座って笑っています。みんなを眺めています。
 はじめに、砂浜にいた人が、結婚相手です。日焼けしてがっしりしています。
 素敵な笑顔でにこにこしています。みんなにお酒をつがれてちょっと酔い気味。
 それを見て、みさはまた笑っています。
 
 ところが、集まったみんなの中に、旦那さんの妹がいました。黒髪で綺麗な子ですが、無表情です。なにか悲しそうで怒っているような感じがします。
 それと、旦那さんの家族は、怒っているような感じです。
 元々お屋敷育ちのおぼっちゃまである旦那さんと、普通の家の出身のみさは釣り合わないという気持ちがありました。そして、みさの家族は肩身が狭そうです。でも、笑顔でいてくれたのが救いでした。
 
 
 次の大事な場面に移ります。5,4,3,2,1,パチン!
 
 
 みさは、子供を産んだのです。うれしく、とてもかわいく感じました。
 男の子です。跡取りを産むことができたみさは、ほっとしました。
 産婆さん、お姑さん、そして黒髪の義妹さん。
 ろうそくの明かりだけの、暗くて小さな部屋にいます。
 産まれた赤ん坊が寝ています。
 
 旦那さんがいません。
 戦争に行ったのだそうです。
 「赤ん坊を見せたい」
 寂しい気持ちの中に、半ばあきらめも入っているような感じです。
 
 姑さんはまだ怒っているようです。
 跡取りがほしかっただけなので、子供を置いて、みさには出て行ってほしいようです。
 でも、みさは、旦那様の帰りを待っていたい。でもいつ帰ってくるか分かりません。
 義妹は味方になってくれました。体が弱くて友達がいなかった義妹は、いまではみさと仲良しです。
 
 
 次の大事な場面に移ります。5,4,3,2,1,パチン!
 
 
 砂浜です。3歳ぐらいになった子供と一緒に海を見ています。
 旦那さんはまだ返ってきません。
 みさは海の向こうを指して「あっちから帰ってくるよ」と子供に言っています。
 
 
 次の大事な場面に移ります。5,4,3,2,1,パチン!
 
 
 今度は台所です。大勢の人。お膳の用意をしています。
 みさは、家の切り盛りをしています。姑さんは既に亡くなっています。
 息子の元服です。(漁師なのに元服?とか、細かいツッコミはなしでお願いします)
 義妹は寂しそうです。
 みさは、自分の両親をこのお屋敷に呼びましたが、どうも両親は肩身が狭そうです。
 
 
 次の大事な場面に移ります。5,4,3,2,1,パチン!
 
 
 今度は、広い部屋でみさが一人で寝ています。天井に梅の絵が描いてあります。
 夜中に、眠れず、一人寂しい気持ちです。
 みさは既に50歳になりました。
 ひとりぼっちです。子供も既にお屋敷にはいないのです。
 
 
 今度は死の場面です。5,4,3,2,1,パチン!
 
 
 みさは60歳です。お部屋で昼間です。暖かい日差しが入っています。
 息子は、奥さんと女の子(孫)を連れてきています。
 人がいっぱいです。昔からの友人だったお医者さんがそばにいます。
 そして、昔の使用人たちが集まってきてくれました。
 
 みさは老衰でなくなったのです。大往生でした。
 (老衰の割に、みんなが集まっているのはなぜ?とかいうツッコミはなしでお願いします)
 
 みさの最期の言葉は、
 「ありがとう」でした。
 最期に、皆の愛を感じて、魂は魂の還るところに安らかに還ってゆきました。
 
 
 最後に、ソウルメイトについて尋ねました。
 前世で出会った人で、今世でも出会っている人はいますか?
 
 病弱の義妹は、M子さんのお母さんとなり、再会していました。
 
 前世での旦那さんは、会いたいのに戦争に行って会えませんでした。
 みさは、好きなのに、会えず、寂しい気持ちを我慢していたのです。
 「その旦那さんは、現世で会っている誰かですか?」私が尋ねると、
 「ああ!お父さん!」M子さんのほおに熱い涙が伝いました。
 
 
 小さい頃、お父さんは仕事が忙しく、ほとんど家にいませんでした。優しいお父さんだからこそM子さんは一緒にいたかったのです。でも、仕事で会えないので寂しい気持ちを押し込めて我慢していました。前世療法を終えて、M子さんはそのことを思い出しました。
 お母さんは姑さんとの関係で、我慢してきた人でした。前世では義妹として現れていました。M子さんはそのことに気づきました。でもお母さんとは今は親友みたいです。
 おばあちゃんは、どうやらおばあちゃんとして現れたようです。優しいM子さんは、そんなおばあちゃんにも、優しい気持ちを向けてあげていました。
 
 このワークが終わり、お父さんとの距離感があって、それが寂しさや男性との距離感の原因だったことに気づいたM子さんは、お父さんに甘えてみることにしました。とてもキレイで笑顔が色っぽいM子さんですから、お父さんもドキドキしてしまったかもしれません。
 おばあちゃんには、話を聞いてあげることにしたようです。話を聞いてくれる人がいるだけでも救われるものです。おばあちゃんも、心安らかになることでしょう。
 なによりも、M子さんの優しさがにじみ出た、とてもいい前世療法のワークになりました。
 
 M子さんの魂が、今回の人生で、自由に、楽しんで生きられることをお祈りいたします。
 そして、M子さんだからこそ幸せにできる人を見つけられることを心よりお祈りいたします。
 
 
 見えたものは、本当に前世なのか?
 それは、分からないのです。前世が本当かどうか、科学的に調べる方法はありません。
 現在の心の状態が反映しただけでは?
 確かに、現在の心の状態が反映するのは事実です。でも、前世があったからこそ、現在の心の状態があるのかもしれません。どちらが原因でどちらが結果なのかは知ることができません。
 
 ひとつ言えることは、こうして前世というストーリーを、心の声に素直になって作り上げてみると、今の自分の持っている人生観や希望、不安といったものが明らかになるということです。
 M子さんは、とても素直に心を開き、勇気を持って自分の感情を解放しました。ところどころ強い感情が湧き起こって、熱い涙を流すことがあったけれど、最後はとても素敵な笑顔でワークを終えました。
 
 M子さんは、自分の心の傷に気づいたので、きっと癒すことができるでしょう。
 そして次は、素敵な恋をして、ますますキレイに磨きがかかってゆくことでしょう。
 
 
※この催眠療法(前世療法)の事例は、実際の相談者の方に許可を得て、ほぼ実際のワークで出てきたストーリーを掲載いたしました。初めての催眠療法でこれだけリアルなストーリーが見えることは稀です。私自身も、催眠を何度も経験してようやく私の催眠療法(前世療法)体験記にあるようなリアルなストーリーが見えるようになりました。
 一般的には、前世を見るためには3回ほどの催眠療法の経験が必要と言われていますし、初めてで前世が見えるのは3割程度の方だと言われています。これは催眠を体験する方のイメージ力や暗示のかかりやすさによるものです。
 
 ですから、私の行っている前世療法では、前世が全く見えなくても、今後の人生の役に立つように誘導します。私の誘導した催眠のほとんどのケースでは、催眠下で何らかのイメージ(光の玉のような曖昧な形のものが多いです)や風景が見えます。
 そして、ここが大事なところですが、その時に感じた感情を私が質問していきます。すると面白いことに、心の奥底に抑え込まれていた感情が現れることがとても多いのです。
 ですから、前世療法で前世が見えなくてもがっかりしないでください。あなたが心の奥底に抑圧してきた感情を知ることができます。また、催眠を経験した翌日などに、ふと過去の辛い出来事を思い出すことがあります。それは、今まで無理やり蓋をしてきた過去の辛い経験が、催眠によって表に出てきたことを示しています。もしも辛い感情が出てきても、それが自分を失うほどのものでない限り、たとえ嗚咽を漏らすほど泣いてしまったとしても、感じきって涙がかれるまで泣くことをお勧めいたします。
 むしろ、ひとつずつ辛い経験の癒しが進んでいくと考えればよいのです。
 
 
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※感情を抑圧して、すでに自分の感情が分からないほどの方の催眠はお断りしています。
 
※事例は個別のケースです。効果が出るようセラピストとして最大限努力していますが、
 効果には個人差がありますことをご理解下さい。